学校へ行こう

 

学校へ行こう ちゃんとりん

学校へ行こう ちゃんとりん

 

 いとうひろしさんの絵本は大好き。

はじめて作者を意識して読んだ絵本はこれ。

 

ルラルさんのにわ (いとうひろしの本)

ルラルさんのにわ (いとうひろしの本)

 

 読書へのアニマシオンの講座で読みました。

これを含めて5冊シリーズになっています。

 

 

 

絵本以外にも、今回の本のようなお話も書いています。

低・中学年向きですが、

大人が読んで語り合ってもなんだか深まりそうです。

「伏線」のミニ・レッスンにも使えそう‥

 

全部、吹き出しで書かれた作品です。

ようするに、2人の女の子の会話で話が進んでいきます。

でもやっぱり、いとうひろしさんは、絵本の方がいいな(^ ^)

ガールズ・ブルー

 

ガールズ・ブルー (teens’ best selections)

ガールズ・ブルー (teens’ best selections)

 

 

あさのあつこさんの長編。

ちょと読むのが辛くて時間がかかりました。

辛いというのは内容が悲しくて‥というわけではなく、

ストーリーがちょっと退屈で辛かったです。笑

 

 

高校生男女7人くらいの青春模様。

舞台はたぶん山口県の萩か津和野。

偏差値が異常に低い高校が主舞台。

美人でもないふられたばかりのふつうの女の子。

その幼馴染の、スーパースターの兄を持つ気のいい男の子。

入退院を繰り返す、病弱だけどめっちゃ心の強い女の子。

ちょっと太り気味で、でも頭は学校一で、ワルの彼氏に暴力を振るわれている女の子。

人付き合いが下手で不登校気味の主人公の弟。

高校野球のスーパースターだけど、たぶん、ふつうの男の子。

学業不振で高校1年で退学した女の子。

女の子とその弟の家の老犬。

 

 

事件が起こりそうで起こらない‥

美女もイケメンも出てこない‥

スーパースターも出てこない‥

でも、うまくいかないことに焦燥するわけでも、

挫折するわけでもない‥

グーっと盛り上がって、実はなんでもない‥

ということの繰り返しで、

どきどきわくわくを求める人には不向きです。

でもこれがこの本の言わんとしているところなんだと思います。

 

 

「あたしたちの前には、長い長い時間がある。それなのに、今しか着られない浴衣も、今しか感じられない歌も、今しか愛せないものもある。今だけがよければいいなんて思わない。でも、すぎていく時を惜しむことも、これから来る時におびえることもしたくないのだ。したくないのだ。」

 

 

「あんたは負けないよ。負けたことなんて、一度もないじゃないか。美咲だけじゃない、あたしたちは負けないのだ。しょっちゅう酸素吸入器や点滴のお世話になっていても、万引きを疑われても、「いくら?」と、おじさんに尋ねられても、高校を退学させられても、負けてしまうわけには、いかないのだ。」

 

 

ふつうの子どもたちの、ふつうのお話です。

あとからじわりときそうな感じです。

 

 

桃太郎は盗人なのか?

facebookの◯年前の思い出の投稿で、

作家の時間の、物語のユニットのときの、

ミニ・レッスンを紹介した投稿が出てきました。

そのときのミニ・レッスンに使ったのが、「ももたろう」の絵本です。

 

ももたろう (日本むかし話)
 

 

そして、昨日、またfacebookの思い出投稿に、

作家の時間の物語のユニットのときの、

「翻作」のミニ・レッスンを紹介した投稿が出てきました。

そのときのミニ・レッスンに使ったのがこれです。

https://www.pressnet.or.jp/adarc/adc/2013/no1_b.html

で、そのときの読み聞かせはこの絵本。

 

それからのおにがしま (えほんのマーチ)

それからのおにがしま (えほんのマーチ)

 

戦い後のおにがしまの翻作です。

 「ももたろう」づいてますね。

 

 

さて、今日の本は、そんなfacebookの思い出がぴょんと飛び出す前に、

amazonでポチりとした本です。

なので、あまりのタイムリーさにビックリしてしまいました。

それがこの本。 

桃太郎は盗人なのか?―「桃太郎」から考える鬼の正体

桃太郎は盗人なのか?―「桃太郎」から考える鬼の正体

 

 作者の倉持よつばさんは小学5年生の女の子、

よつばさんがある1冊の本から、あることに疑問をもち、

あることをひたすらに探究していった夏休みの自由研究をまとめた本です。

そのあることというのが「ももたろう」そして、「おに」。

いやはやすごいですね。

彼女、探究のために、200冊あまりのももたろう関連の本を読んだそうです。

絵本がほとんどですが、中には学術的な本もありました。

本が見つからないときは図書館の司書さんへ相談し、

江戸時代の本が読めないときは学芸員さんへ相談し、

神社へ行き、

博物館、資料館へ行き、

大江山に行き…笑

すごい探究熱。

 

 

その中でもやはり「本」ですね。

このインターネット全盛時に、「?」を本で追究しまくるというのがすごい。

150冊の「ももたろう」の絵本をすべて読み、

比較検討、検証しています。

ということで、風越の図書館に入れておきたい本になりました。

 

 

残念なのは…

彼女の自由研究の原本が、

小さく小さく印刷されてほとんど読めないこと。

あれが本の1ページにつき原本1枚載っていれば、

その「熱」がめっちゃ伝わってきたのになぁ…と思います。

活字になってちょっと半減してしまっています。

彼女の本物の字のままで読みたかったです

 

 

 

読みたくない本を読む力

読みたくない本を読む力は必要か。

 

 

私たちは選書する時、当然自分の読みたい本を読みます。

おもしろそうだな、

この作家好きだから安心して読めるな、

このジャンル、大好き!

お、異世界転生ものだ、絶対おもしろいはず!!

てな具合に、自分の興味関心に寄って選書します。

興味関心があるということは、

そのことについて悪い印象はもっていないということ。

 

 

しかし…

人生において、読みたくない本を読まなきゃいけない時もある。

知って得する予防接種の話

知って得する予防接種の話

 

なんじゃこりゃ?

と思うかもしれませんが、これは読まなきゃいけなかったんです!!

この1冊だけじゃありません。

実は、私、今、大学生なんです。

風越学園は小中の義務教育学校なので、

小学校と中学校の両方の教員免許をもってなきゃいけません。 

私は大学生の頃遊びすぎたので、小学校の免許しかありません。

ですから、今、必死こいて中免取得を目指しています。

そして…なぜだか…科目が…体育科…笑

ということで、スクーリングやらレポートやら実技やらやりまくっているわけです。

 

 

で、レポート書くために、指定された教科書をどうしても読まなきゃいけない。

しかしまぁ、どんだけだよ…という感じです。

数十冊読みましたが、いやーーーーつまんない。

(でも、この予防接種の本はけっこうおもしろかったです)

しかし、読まなきゃ書けない!

 こういとき、「読む力」があるかないかはとても重要。

読みたくない本でも、なんとか読めるのは、地力である。

 

 

今日、職場で、あすこまさんと、スタッフの研修のことを話していて、

読みたくないのに、必要だからと読まなきゃいけないのは辛いよね、

という話になりました。

でも、これ、けっこう、よくある。

子どもたちにカンファランスするのに、

子どもたちが読んでいる本を知っているのと知らないのとでは天地の差があるので読まなきゃと思う。

普段あんまり読まない子がめっちゃ読んでる本は「読まなきゃ!」と思う。

「先生!これおもしろいから読んで!」と言われて、(いやー、この手の話興味ないんだよな〜)と思いながら「どうだった?」と聞かれると困るから読まなきゃいけないと思う。

ミニレッスンに使う絵本を探すために、自分の興味関心に関係なく「あ」の本棚から片っ端に読む。

あの子にはこの本、この手のタイプの子にはあの本、あの子のレベルならこの本…

 

 

つまり、リーディング・ワークショップを実践する教師は、自分の興味関心よりも、子どもたち一人一人の興味関心に沿って「読む」ということを「前もって」やらなきゃいけない。

実際にやり始めているときは、後手後手になっちゃうんだけどね。

 

 

さてさて、11月からまたまたスクーリングが始まります。

今日3月までの分の履修登録をしました。

座学スクーリングが5日間、

実技スクーリングが16日間、

レポートが18本、

さあて、気合いを入れて、読みたくない本を読みたいと思います。_| ̄|○

 

 

えりなの青い空

あさのあつこさんの娘さんの実話がモチーフになっているようです。

人はいつから地面に座ったり、

寝転んだりするのを「きたない」と言ったり、思ったりするのでしょう。

子どもが土をさわることさえ、「きたなくなるからやめなさい」という大人もいます。

作中、えりながねころんでそらをながめているのを、

男の子が「だってそんなの変じゃん」と言う場面があります。

いつから私たちは自由になることを自らの手で手放していくんだろうと思いました。

小学5年生のこの男の子の言った言葉はとても重いです。

 

 

今から10年くらい前に、息子の野球観戦にいったとき、

観客席でなく、草っ原の上で座って応援していたことがありました。

そのとき、なにげに手の先にあった草の感触や、

ちぎって鼻にもってきてかいだにおいとか、

そこから「あ、忘れてた…」と思ったことがあります。

かんたんに言ってますが、これはかなり強烈に「思い出した」のです。

そして、同時に、「なにやってんだおれ」と思ったのです。

まあ、そのころは何かと忙しくて、

ぜんぜんあそべてなくて、

こりゃ死ぬまでに思いいっきり自然の中であそばなきゃ!

と思ったのでした。

 

 

 

そんなことを、思い出させてくれた1冊になりました。

ぜひ、子どものころに見上げた空を思い出してください。

 

えりなの青い空

えりなの青い空

 

 

 

ひゃくえむと、その他マンガたち

昨日等の台風19号は長野県に甚大な被害をもたらしました。

軽井沢でも、停電、倒木、冠水、橋梁損壊等ありました。

うちの家はログハウスなので頑丈なのかなぁ…

そんなに風雨の凄さは感じませんでした。

しかし、家の後ろの旧NTTの鉄塔がびょうーびょうーと音を立てるのが不気味でした。

 

 

この週末、ほんとうは、元同僚の結婚式で島根の松江に行く予定でしたが、

北陸新幹線、高速道路、すべて運休・不通でやむなく断念しました。

なので…

3連休、まったく暇になってしまった。

狭山に帰ろうにも帰れず…

今日はぼんやりしています。

なので、本棚のマンガを読み返したりなんかしています。

最近読んでおもしろかったマンガたちを紹介します。

 

 

まずは一押し、これ、ぜったい、来年のマンガ大賞にノミネートされます。

 

ひゃくえむ。(1) (マガジンポケットコミックス)

ひゃくえむ。(1) (マガジンポケットコミックス)

 

 5巻完結。

下手絵ですが、そのうちどうでもよくなります。

それは、「左ききのエレン」と似てますね。

4巻の最後についている短編もサイコーにいかしています。

 

 

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

 これは、絶対読んだ方がいいです。

戦争のリアリティ満載です。

3頭身マンガですが、それ、かえって怖いですね。

ここは「まどマギ」と同じか。

 

 

 

 「四月は君の嘘」の新川直司の次作。

女子サッカーのお話です。

これには前日譚があって、それがこのマンガ。

 

 

 全2巻。これを読んでから読んでください。

きたーってなります。

越前サイコーです(^ ^)

 

 

あひるの空 THE DAY(1) (講談社コミックス)

あひるの空 THE DAY(1) (講談社コミックス)

 

 新しくもないけど、アニメが始まった記念に紹介しよう。

チームが初勝利するまでに、十数巻かかるというあんまり勝てないバスケ漫画

 最初に勝った相手も商店街の親父チーム。

まあ、それだけリアルということですね。

いろんな登場人物(自チームだけでない)に焦点が当たるので、

読んでるほうは疲れます。

でも、その子にそういうバックストーリーがあるのか!

と、そのうち感情移入しちゃいます。

でも、一番疲れてたのは作者で、途中長い休載時期がありました。

復活してくれて何よりです。

ちなみに、今現在連載しているのは、実は回顧録です。

 

 

 

鍵つきテラリウム(1) (メテオCOMICS)

鍵つきテラリウム(1) (メテオCOMICS)

 

 これはこれかから期待。

悲しい話が多いけど、

一番悲しいのはこの姉弟なのではないだろうか。

 

 

天国大魔境(1) (アフタヌーンKC)

天国大魔境(1) (アフタヌーンKC)

 

 伏線ありすぎて楽しみでしょうがない。

今現在謎だらけ。

 

 

 

 岩明均の名作「寄生獣」のもうひとつの視点。

広川市長の息子の視点から語られます。

元作の登場人物(生物)たちも続々登場します。

これも「翻作」のひとつですね。

 

 

 

鴻上尚史原作。

9回の特攻から生き残った男の話。

鴻上さんがしっかり取材しているので重みがあります。

 

 

 

 「シドニアの騎士」の弐瓶勉の次作。

絵柄が相変わらずですが、これまた伏線だらけで先が読めん!

 

 

 

 伏線といえばこの人、三部けい

前作「僕だけがいない街」でどんでん返しの連続で読者を唸らせた人が、

またまたおんなじようなマンガ描いてます。笑

 

 これはずいぶん前に見つけて、1巻から買ってますが、

最近アニメになったようですね。

飛行機事故で無人島に漂着した女子高生4人組の話。

その中に1人、超絶サバイバルスキルの高い女の子がいて…

というお話だけど、紹介されているサバイバルスキルは全部本物。

なかなか読み応えがあります。絵は可愛いけど。

 

軽井沢には本屋がないので、(1軒あるけどぜんぜんそそられない本屋)

なかなか漁れないのが残念です。

ぜんぜん売れてない時からずっと買ってて、

それが売れ始めると嬉しいですよね。

「ひゃくえむ」はたぶんそんな本です。

みなさん、ぜひ読んでみてください。

 

キス

あさのあつこさんの本だけじゃあきるかなぁと思って、

同じ「あ」の棚をながめていて見つけた1冊。

まったく知らない作家さんです。

調べてもあまり著作はないみたいです。

題名からしてちょっと小学生は手に取らないかな…

と思いつつ読んでみると、

ちょっといくつか「ん?」という言葉もあって、

幼小中の学校の本棚に置くには躊躇するところもありますが、

それを除けば、これはかなりの秀作だと思います。

全3話のオムニバスですが、

すべて舞台は同じ中学校で、

登場人物がちょとずつかぶるという、

伊坂幸太郎のような本です。笑

 

 

登場人物がみんな愛すべき人たちで、

心から応援したくなります。

そして、みんなちょっと変わってる。

そこに生きづらさを感じているんだけど、

感じているのはその本人ではなくて、

そのまわりの人たち。

良子ちゃん、重田くん、お父さん、お母さん、ふみえちゃん、美枝子ちゃん、明智くん、安井くん、城山くん…みんな幸せになってください。

 

キス

キス