えりなの青い空

あさのあつこさんの娘さんの実話がモチーフになっているようです。

人はいつから地面に座ったり、

寝転んだりするのを「きたない」と言ったり、思ったりするのでしょう。

子どもが土をさわることさえ、「きたなくなるからやめなさい」という大人もいます。

作中、えりながねころんでそらをながめているのを、

男の子が「だってそんなの変じゃん」と言う場面があります。

いつから私たちは自由になることを自らの手で手放していくんだろうと思いました。

小学5年生のこの男の子の言った言葉はとても重いです。

 

 

今から10年くらい前に、息子の野球観戦にいったとき、

観客席でなく、草っ原の上で座って応援していたことがありました。

そのとき、なにげに手の先にあった草の感触や、

ちぎって鼻にもってきてかいだにおいとか、

そこから「あ、忘れてた…」と思ったことがあります。

かんたんに言ってますが、これはかなり強烈に「思い出した」のです。

そして、同時に、「なにやってんだおれ」と思ったのです。

まあ、そのころは何かと忙しくて、

ぜんぜんあそべてなくて、

こりゃ死ぬまでに思いいっきり自然の中であそばなきゃ!

と思ったのでした。

 

 

 

そんなことを、思い出させてくれた1冊になりました。

ぜひ、子どものころに見上げた空を思い出してください。

 

えりなの青い空

えりなの青い空