チキン!

 

チキン! (文研じゅべにーる)

チキン! (文研じゅべにーる)

 

 これは一転して、学校のことや子どもたちの心情をとても理解している人の作品。

私自身、この作者の本を読むのは初めてです。

でも、私の教室の「読書家の部屋」には、この作者の本があったみたいです。

 

かあちゃん取扱説明書 (単行本図書)

かあちゃん取扱説明書 (単行本図書)

 

けっこうな人数がこの本を読んでいました。(私は読んでいません)

今回、「チキン!」を読んで、

作者プロフィールを読んで、

あー、あの本の作者だったのか…と気づいた次第です。

 

 

さて「チキン!」

 最後は不覚にも涙が出てしまいました。

ほんと、この作者は学校のことや子どもたちのことをよくわかっている。

前半、日色が「気持ち、わるい」と言った場面。

これ、私の経験上、実は子どもたちにはよくわからない。

このような場面で、学校教育の中で、子どもたちは、

「ごめんね」「いいよ」で『済ませられてきた』から。

ほとんどの子は、この気持ち悪さがわからない。

でも、並みの本なら、ここでみんなこれを理解して、

「そうだ、そうだ」でハッピーエンドの大団円を迎える。

でも、この本の中では、

この気持ち悪さを理解しているのは、

日色と真中さんだけ。

もうこれだけで、超リアルです。

後半、給食準備の場面があるのだけど、

これ、「この作者先生だったのかな?」と思って、

もう一度プロフィールを読み直したくらいよく知ってた。

 

ということで、この本はオススメです。

いとうみくさん、しばらく追っかけてみようかと思います。

 

あ、お話は、

いつだってど真ん中の真中さんと、

ヒーローとはまったく無縁の日色くんのお話です。

高学年のブッククラブには最適だと思います。