わらうきいろオニ

 

 

わらうきいろオニ

わらうきいろオニ

 

 あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

当ブログは、しばらくは読んだ本について書いていきます。

もしかしたらちょこちょこ思うところも書いていくかもしれません。

学校が始まったら、前みたいに学校でのことも書くようになるかもしれません。

 

さて本題。

本のことの前に、昨年末の紅白歌合戦について。

ここ3、4年の紅白はおもしろいですよね。

とても趣向を凝らしていて、

しかも昔みたいなわざとらしさがなくなってきたように思います。

そして、今回の紅白はかなり思い切ったことをしていたんではないかと思っています。

見ている途中である違和感を感じてきました。

(見ている途中で気づいたけど、

 それは思い出してみると最初からそうなっていたんだと思います)

それは、「紅」「白」ということを前面に押し出していないなぁということ。

 前まではことさら「紅(女)」「白(男)」の対決ということを、

曲紹介や、いろんな企画で押し出していたんだけど、

今回はほとんどそれを感じなかったです。

司会者や応援団長の言葉にもぜんぜんそういうのがなかったように思います。

歌っている時も、あれ?これは白組?紅組?と思うことも。

全体を通した演出がそうなっていたように思います。

星野源さんもメッセージありありでしたよね。

そして、圧巻は、トリのMISIAさんと氷川きよしさんでしたね。

すごかった。。。

この2曲を聞いている時は、鳥肌が立ちました。

MISIAさんのステージには、レインボーフラッグにドラァグ・クイーン

氷川きよしさんは気持ちいいまでに自分を出し切っていましたね。

めっちゃ気持ちよさそうで、そして、かっこよかった。

松任谷由実さんの「ノーサイド」も、ラグビー絡みかと思いきや、

ユーミンさんとMISIAさんの関係から考えると、

違う意味の「ノーサイド」なのかもです。

視聴率は史上最低だったようですが、

(そして紅白対決はやはりなかなか捨てられそうにないですが)

私の中では過去最高の紅白歌合戦でした。

ビートたけしさんの歌も、鬼滅もKISSもサイコーでした。

ただ、86番さんの今後がとても心配です…

 

さて、この本。

この本に紅白の話題を合わせたのは、

この本、明らかに「多様性」のことをテーマにしています。

RGBTQや人種、肌の色、貧富、国籍、容姿、障害などなど、

ありとあらゆる差別と偏見のメタファーが入れ込まれています。

登場人物たちが、自分が自分であることを隠して、

生き辛さを感じている人たちのメタファーになっています。

反対に、自分が自分であることを誇らしく思う人たちのメタファーにもなっています。

表紙の見返しには、

「どうして赤や青じゃなきゃいけないの?」

とあります。

きいろオニは自虐的に自分をつくって、

人に受け入られようと必死になります。

この場面、読んでいてこちらが苦しくなってきます。

(子どもの中にもそう感じる子が必ずいると思う)

気持ちはどんどん苦しくなって、なぜだかおなかが大きくなってしまいます。

ありたい自分はなんなのかよくわからなくなったきいろオニは、

あるときむらさき色のオニに出会います。

次に水玉のオニ、にじいろのオニ、あまのじゃく…

いろんなオニに出会っていく中で、

少しずつ少しずつ(ここらあたりの構成が「おきまり」的に安直じゃないのがいい)

自分を取り戻していく、そういうお話です。

おなかの中身はさてなんだったんでしょう?

 

読み物としては中学年向きでしょうか。

でも、漢字も少なく、総ルビなので低学年でも読めます。

内容的にヒットするのは中高生あたりでしょうか。

でも、これは、全世代に読んでほしい、語ってほしい。

それぞれの年代で、感じることはまさに多様だろうと思います。

今まさに生き辛さを感じている子、

昔感じていた大人、

今もまだ感じている大人、

いろんな人に届くといいなと思える本です。

 

あわせてこの本も。

https://kaisaki37.hatenadiary.org/entry/2019/10/07/091113