料理13 佐藤さん2

ぐうたらとはいえ、十数年は一流どころで修行した人でしたので、

料理の腕は素晴らしかったです。

 

広田さんや私が切るキャベツの千切りの、

5分の1くらいの細さでサクサク切っていきます。

万切りか兆切りのレベルです。笑。

フライパンを振るにしても、

調味料を振るにしても、

サラダを盛り付けるにしても、

その流れるような華麗な動きとでも申しましょうか、

簡単にいうと、「様になる」んです。

 

料理はたいしたメニューじゃないし、

食材も長崎屋(武蔵小金井店)で買ってるようなものなので、

そんなにかわり映えはしませんでしたが、

(というか、全体的にもう、やる気がない人なので。笑)

ソースやドレッシングは一変しました。

以前紹介した、ロード三世のレシピをベースにして、

あれやこれやと何の説明もなくいろいろ加えていくんです。

そうすると、なんだか高級感あふれるソースやドレッシングになる。

さすがだなぁと思いました。

 

あるとき、ママさんが、ランチで特製カレーを出したいと言い出し、

佐藤さんがいやいやつくりました。

カレーはマスターの浅野さんが作ってましたから、

掟破りのメニューです。

そのとき私ははじめて、カレーを小麦粉からつくるところを見ました。

カレーってこうやってつくるんだぁ〜と素直に驚いたのを覚えています。

 

まあ、それ以外にも、いろんな料理のいろはを教えてもらいました。

包丁の切り方、飾り切りもいろいろおしえてもらいました。

食材の扱い方や、見方、特徴などなども。

料理のいろんなうんちくもおもしろかったです。

 

この人に出会ってから、

私は料理のおもしろさに本格的にのめり込んでいくことになります。

(続く)