料理13 バイト仲間

佐藤さんは、ここでも長続きせず、私が2年生を終える頃に辞めていきました。

こんな小さな店で燻っている人でもないし、

たぶん、引きがあったんだと思います。

 

さて、3年生になり、とりあえず厨房のことは1人で回せるようになり、

馴染みのお客さんと楽しくおしゃべりしながら仕事してました。

佐藤さんが辞めてから、厨房にはたくさんのバイトが入りました。

すぐ辞めていった人も多かったですが、

私は「教える」立場になったので、

けっこう気を使ったりしましたよ。

2人の変わった先輩のようにはならないように。笑。

 

いっとき、私の親友の伊藤というやつが一緒にバイトに入る時期がありました。

いまだに付き合いがある、私にとって唯一の親友と呼べる奴です。

彼はいろんな種類のバイト経験があり、

こういう飲食店も長かったので、

すんなりと馴染んでいきました。

1週間のうち、1日だけ曜日が重なる日があり、

その日はとても楽しかったです。

ママさんが所用で数時間抜けた時なんか、

ここぞとばかりに勝手に料理作って食いまくりました。

メニューの中で「スペアリブ」が一番高くて、

そいつを2人でモリモリ焼いて食ったりとか、

(滅多に出ないメニューだし、ママは厨房の在庫のことをよく把握してないから平気)

食べ盛りのうちらにとって、ピザはかっこうの餌食でした。

また、武蔵小金井の北口商店街の歳末大売り出しで、

何千円以上買い物すると、

札幌雪祭りへの招待券が当たる抽選券がもらえるという企画にロードも参加していて、

それをママさんの目を盗んで2人で大量にゲットし、

書きまくって送ったら、伊藤だけ当たりやがった。笑笑。

悔しいおれら友達数人は、

旅行初日をぶっつぶそうかと思って、

出発の前日にしこたま伊藤に酒を飲ませ、

徹夜で朝を迎え、その勢いのまま羽田空港まで車で送りに…

しかし、行ったみたらですよ!なんと欠員が出たとかで、

タダでいいから誰か行く?と聞かれ、

まあ、商店街の知り合いのおっちゃんやおねえちゃんたちがやたらに私に勧めるので、

酔っ払った勢いでそのまま飛行機に乗って、

ハッと眠りから覚めたら千歳空港でした。笑

ハンドバック一つで3日間札幌を満喫しました。

(続く)