山のぼり ②

非常勤時代からはじめたとは書きましたが、

高校生までは九州を転々としていましたので、

野外で遊ぶことには普通に慣れ親しんでいました。

家族で山に登ることはありませんでしたが、

学校登山でいろんな山に登っていました。

自分で選んで登ってたわけではありません。

なので、そのころは好きとか、得意とかぜんぜんなくて、

好きでも嫌いでもありませんでした。

当たり前に自然は目の前にあったので、

それは趣味とかそういう特別なものではありませんでした。

やはりのめりこんだのは先生になってからです。

 

山というか、アウトドアにのめりこむきっかけとなった印象的な出来事があります。

新規採用で先生になってすぐの4月29日に行われた歓送迎会のときです。

青梅市の近くの五日市町の「黒茶屋」というところが会場でした。

黒茶屋の送迎バスに乗って会場まで行く途中で、

青梅市五日市町の境目にある「二ツ塚峠」というところを通ります。

送迎バスの車窓から見えた山々の新緑が私の目に飛び込んできました。

それはそれはなんだろう、もう美しすぎて眩しくて、

たぶん今見たらそんな風には心動かないんだろうけど、

その当時の自分にはその景色はもう涙さえ流さんばかりだったのを覚えています。

大学時代とプーの時代、恐ろしく真っ黒に近いグレーな時代を激しく後悔したのを覚えています。

この緑は、自分が子どもの頃あたりまえに見ていたものだったのに、

なんで今はこうも遠いもの、思い出さなきゃいけないものになったんだろう…

取り戻さなくちゃ、はやくこの中に自分は行かなきゃと突き動かされていました。

 

そういうわけで、ここから私はウィルダネスの世界にどハマりすることになります。

(続く)