リーダーシップについて考える②

さて、うちの学校には、「なかよし班」なるものがあります。
1〜6年生までの縦割りの班編成になっています。
その班で、遊びの交流会(年3回)を行ったり、
遠足に行ったり(年1回)、
花植え活動をしたり(年4回)…
さらに6年生は、その準備を含めると相当数の時間をここに割いています。



でも、これ、けっこういいんです。
これで子供たちが育つところはとても大きく、
よくみなさんが運動会やらの大きな行事をひとつのきっかけにして、
クラスビルディングをやるように、
この大きな編成を使ったいろんな行事は、
「学校ビルディング」ができるんです。
1年から6年まで、それなりの課題設定ができます。
特に6年は、全校のモデルとして注目されるわけです。
(先生たちが児童のモデルであるように)



さて、学校経営の話はこれくらいにして、前回の続きです。
机上で考えたリーダーシップが果たして発揮されたのか…
今回はいきなり学級通信です。

子供の振り返りと、私のコメントが混ざっていますので、
注意してお読みください。



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 もぐらのさんぽ NO‘68
六年三組学級通信 H21,9,17


リーダーシップ実践編〜なかよし班交流会〜


 道徳の時間に考えたリーダーシップは、あくまでも机上の考え。「絵にかいたもち」にならないように、実際の活動の中で意識できるように、そしてできるようにならなければ意味はありません。今はまだ「知っている」状態。それを「やってみる」。そして、何回もチャレンジして失敗して…を繰り返して、「できる」ようになる。そのときはじめて「分かる」のです。「なるほど、そういうことかって」ってね。それを続けていると、「している」状態になります。


 ということで、みんなは6年生なので、いやでもリーダーシップを発揮しなければいけない状況があるわけで、もうすでに4月から、たくさんの経験を積んできました。前期の終わりのこの時期に、そのことについて振り返ることはとても大事なことなので、これからのこともふくめて、自分と向き合ってみましょう。


 今号では、予告通り、先週のなかよし班交流会の振り返りジャーナルから、リーダーシップについて振り返ってある人の文を紹介します。


 私の考えるリーダーシップは、「みんなをかげから支えてあげたり、後ろからそっと背中を押してあげるリーダー」。今日はそんなふうにがんばろうかなと思ったけど、けっきょく私がみんなを仕切ってた。でも、考えたんだけど、「みんなをかげから支えてあげたり、後ろからそっと背中を押してあげるリーダー」が仕切っちゃいけないわけじゃないし、その時その時で、状況に合わせて、いろんなリーダーシップをとれるのが、本当のリーダーなんじゃないかな? みんなの意見がまとまらなくて困っているのなら、まとめ役に。不安なことがあって困っている人がいるなら、相談役に。だから今日はまあまあリーダーシップをとれていたと思う。ただ、私が時間を考えていなかったせいで、途中で終わりになっちゃったりして、もうしわけなかったな…。それに、一年生の子がドッジボールとかがいやだから、ちがう遊びにしたら、4年生の子に「つまんない」って言われちゃうし。みんなが楽しめるようにするっていうのも、リーダーの役目だよね…。だから、次はみんなが楽しめるようにしたいな! みんなを笑顔にさせるのがリーダーの仕事だから!

 

 「その時その時で、状況に合わせて、いろんなリーダーシップをとれるのが、本当のリーダー」だと先生も思います。いいところに気がついたね。みんなはどう思いますか? それを一人でやろうとすると大変だし、自分の強みの部分でないと、逆にくじけてしまうので、「その時その時で、状況に合わせて、いろんなリーダーが現れるチーム」というのも先生の理想です。

 

 ぼくは、3・4班の話し合いの時は、すごくなやんだ。それは、一年生にボール遊びとかができない人がいたからです。でも、ちゃんとできるような遊びにした。でも、本番に、3年生で「つまんないな〜」って言ってる人が出た。ぼくはその子をがんばって説得した。そしたら一年生が、「この遊び、楽しい」って言ってくれた。だからぼくはリーダーじゃないけど、みんなをまとめられた。

 

 いや、それがリーダーです。下級生の言葉がみんなへのフィードバックです。次の号は上と逆の場合…。

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もぐらのさんぽ NO‘69
六年三組学級通信 H21,9,17


リーダーシップ実践編②〜なかよし班交流会〜


 続きです…。

 今日は自分に反省しなきゃならないところがある。それは、副班長にすべてまかせてしまい、自分は見ているだけの状態だった。あと、ドッジボールをしてたとき、3年か4年生の子が一人でボールを投げてたときがあったから注意をした。けど、聞いてくれなかった。(最後らへんは聞いてくれたけど) これからはみんなを引っ張っていく班長として、みんなをまとめて、みんなで楽しくやっていきたい。あと、積極的に自分で動くことを心がけるようにする。みんなが「楽しい」って言ってくれるようにする。それをまた私生活で生かす。



 今日の交流会は、自分がついていきたいと思うリーダーにはなれませんでした。なぜかというと、少しイライラしていたからです。私の班は、少し生意気な子がいます。その子がすごく言うことを聞いてくれなく、イライラしてしまいました。なので、「てきと〜てきと〜」みたくなってしまいました。これからはその子にもしっか対応して、自分が「ついていきたいなー」と思うリーダーになれるようにがんばる。あと、イライラを人のせいにしない!!




 トライ&エラーです。自分ができることや、自分の強みを生かすことをこころがけてみましょう。1年生から6年生まで、男女全員が楽しめるものを提供するのはなかなか難しいことです。「言うことをきかす」と考えると、どうしても命令口調になってしまいます。「言うことをわかってもらう」という立場に立つと、さてどうなりますか? 「提案する」「お願いする」「説得する」「説明する」…いろいろな方法があります。こっちがキレてしまったらおしまいです。根気強く、ていねいに、「あなたのために今大事なことを伝えているよ」という気持ちで話しかけるといいと思います。先生もまだまだです。いっしょにがんばりましょう。



 今日はドロケイとドッジボールをみんなでやった。ちゃんと責任感をもっていたとは思えないけど、みんなと楽しく、みんなを笑顔にすることはできたと思う。あまり仕切らないようにって考えて、「やって!」みたいには言わなかったと思う。ボールをとったけど投げようか迷っている人に、「投げちゃえ〜!!」みたいに命令はしていないと思う。最後のとき、5年生に、勝手に解散させられて、すっっっっごいムカついた!! その子、自分ではイイ事したー♪って、ホクホクしてたけど、私はイイ事とは思わない。手伝うんじゃなくて、「仕切る」になっちゃって、いいリーダーとは思わない!! みんな、「なんで5年生が言ってるのー??」って聞いてきた。やっぱみんなそう思うよね…。今度はこんなことがないとイイなー…。
 だから私は今度こんなように思うことはしない。まとめたりはするんだけど、仕切らないで、みんなと同じようにしてる。みたいな感じで…いきたいなぁ〜。今度は班対抗の遊びって言ってたから、同じ班の子と同じように仕切らないで、「少し上だけど、友だち」みたいな関係で、遊びたい!! 



 「少し上だけど、友だち」という感覚、いいなと思います。強力なリーダーより、したわれるリーダーのほうが、実はチームの課題達成の効率があがるというデータがあります。おもしろいよね。



 この前の道徳で、私が思うリーダーシップは、「みんなをまとめられる」「平等になるような考え方」だった。今日の交流会では、まとめる点では特に呼びかけなどでまとめていた。「平等」もいろんな人に、いろんな呼びかけをして、平等になるようにした。今回、私はリーダーシップの中で、「かげで支える」というのも少しできた。私はだれか何かあったとき話しかけてあげることができた。これからは、もっとできることを増やし、いっそうみんなをまとめられるようにしたい。



 今日の交流会では、みんなの前で何か言ったりという事はできなかったけど、一年生の相手をしたり、勝手にボールで遊んでいる子に注意したりする事はできた。一年生の相手をする時に、なるべくほめたりしようと努力はしていました。でも会話を早く終わらせてしまったり、応えに少し間をあけてしまったりした。でも、一年生の子達は、「楽しい」と言ってくれてうれしかった。(最後に) 次になかよし班で何かするときは、いっぱい遊んだり話す。一年生の女の子達が、途中ドッジボールにあきてしまって、好きな遊びも聞いたので、今度遊びを決めるときは、もう少し話し合いをする機会を多くして、たくさん話し合って、なるべくみんなで楽しめる遊びを考える。



 自分はいやなリーダーではなかったと思うけど、リーダーのような存在にはなれなかった。ただ、分からない子がいたら教えてあげるくらいで、○○ちゃんはちゃんとみんなをまとめられていた。用意をするのもみんなにまかせて(自分には仕事がなかった)、6年生の自覚が足りないのかもしれないと思った。何もできなかったけど、今度は仕事をまかされなくても、みんなを手伝うことくらいはする。自分に今できることをさがして、できるようにする。○○ちゃんや○○ちゃんのようにかんぺきなリーダーでなくても、みんながいやだなぁという人にはならないように言葉使いを気をつける。



 自分の中にある「リーダーシップ」にまず気付いてください。いろんなリーダーシップがあります。「今自分にできること」をさがして、しりごみすることなく(こっそりとでもいい)出してみましょう。
 みんなの「楽しい!」って言葉をいっぱい聞いて、3月には「6年生ありがとう!!」って言ってもらえたらいいね!

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あいかわらず自己評価厳しいですが、
みんな真剣に考えています。
自分の中のリーダーシップに気付いていて、
それを実践しようとしている子もいて頼もしいです。



さて次は最後です。
あの列挙したリーダーシップの要素について、
うちのクラスとしての結論を出さなければなりません。
うちのクラスとしてはあれはどうなのか。
次の学級活動の時間に、PAのアクティビティで考える時間を取りました。