りかさん

りかさん (新潮文庫)

りかさん (新潮文庫)


梨木香歩2冊目。
梨木さんの本はほんとにおばあちゃんがいい味をだしてくれる。
「エンジェル…」も「西の魔女が死んだ」も。
そしてこれも。
含蓄のある言葉を言ってくれる。
それらはとっても素直に受け入れることができる。
おばあちゃんたちはだれも凛として、
しかも可愛い。



「自分をだそうとするとアクがでる。それは仕方がないんだよ……一つのものを他から見極めようとすると、どうしてもそこで差別ということが起きる。この差別にも澄んだものと濁りのあるものがあって、ようこ、おまえは、ようこ、澄んだ差別をして、ものごとに区別をつけて行かなくてはいけないよ」
「どうしたらいいの?」
「簡単さ。まず、自分の濁りを押しつけない。それからどんな『差』や違いでも、なんて、かわいい、ってまず思うのさ」
「そうしたら『アク』は悲しくなくなるの」
「ああ」



この話の前後がわからないと実はたぶんよくこの言葉の意味はわからないでしょう。
私はこの部分が一番心に残りました。



内容的には難しく、
小学高学年でもちょっときついかな、
と思いました。
人物相関図が必要。