チャレンジクエストin清里振り返り②

二日目の個人チャレンジで、
PAのハイエレメントを選択した子の振り返りです。
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「PAはこわかった」
                            
 1日目のPAとくらべると、ぜったいにこっちのPAのほうがこわい。
 私は、2日目はPAのハイエレメントにしました。最初はふつうのPAみたいにゲームをしたけど、天気は雨だったので、なんかでっかいハンモックみたいなものの下でやりました。だからせまくってゲームがしづらかったです。
 ハーネスを付けるときになると、こんがらがって、自分でやってみたけどひもがねじれたりのくり返しだったので先生にやってもらいました。そしてグループのところに行くと、一番やりたくなかったものの下でした・・・。
 それは、はしごをのぼってバンジージャンプするやつでした。私は12番目か13番目くらいだったので、ずーっと上を見ていて、首がいたくなりました。
 そして、いよいよ自分の番になって、はしごをのぼろうとすると、思ったより高くてものすごく冷やあせがでてきました。このとき、もう世界の終わりだと思うほどで、はしごをのぼりきって足を引っかけてのぼるやつまで行ったとき、もうやめたいけどやらなきゃいけないんだなぁ・・・・と思いながらのぼった。
 そして板の上に着いたとき、下の友達は1cmくらいに見えて、あ〜、ここは天空に近いんだな〜・・・とよけいなことを考えていたので、1時間くらい時間がたったような気がした。
 立とうと思うと、ものすごいゆれてて、木が折れそうでした。そして立つと、もうこわいこわいこわいこわいこわいこわいとず〜っと思っていました。(それぐらいしか考えられませんでした)
 「いきます!!」こう言うと、何言ってんだ何言ってんだ、いけるわけない、どうしよう、自分のどっかがこわれたんだ、あ〜どうしよう・・・と思っていました。もう頭がくらくらして、気を失いそうで、とにかくまっ暗だった。
 そして飛んだら、3秒で下にいました。(ぶらさがっていました) もうふらふらで、もう人生終わりなんだな、アハハ〜と思っていて、先生の言ったことが聞こえなかった。

 一番感動したことがあって、自分の次に飛ぶ○○は、「もうやだ〜」と言っていて、そりゃこわいからね〜・・・と思っていました。そして、はしごをのぼっていきました。ところが、○○ははしごの一番上で泣いて、止まっていました。私は、どしたん〜?こわいの?だいじょうぶ?と考えて、ずーっと○○を見ていた。けっきょく、○○はそこで止まったままで、バンジージャンプはしなかった。
 全員がチャレンジをやり終わったあと、○○は、「私、もう一回やりたいです!」と言って、○○はとっても勇気があるんだな〜と思った。
 そしてスイスイのぼっていって、15分くらいたってから飛んだ。○○の飛び方は、自分の飛び方とはちがって、ちょっと向こうを目ざしているように思えた。飛び終わったあと、とってもにこにこしていて、「あ〜、がんばったんだね〜!」と思った。
 けっきょく予定は1時間くらいおくれた。(よそうどおり〜) でも、とても楽しかったし、もうチャレンジも終わったし、もう最っコーの気分で終わった。

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この子の言っているバンジージャンプというのは、パンパープランクのことです。
7〜8mの丸太の上に、30×50cm四方のプラットホームが乗っかってて、
そこから、2mくらい前方にある空中にぶら下がっているバーに飛びつくというエレメントです。
全身ハーネス(ユニバーサルハーネス)を付けて飛ぶんですが、全員が「落ちて」ました。
飛ぶ勇気はさすがになかったようです。
ビレイは、残りのメンバー全員で(オーストラリアンビレイって言うんでしたっけ?)ザイルを引っ張って確保します。



登る前からすでにチャレンジは始まっています。
その子の中では、すでに自問自答し、自分と向き合うことが始まります。
下から見上げたとき…はしごを登りながら…ポールを登りながら…台の上に立ちながら…下を見て…仲間を見て…前を見て…意を決して…


あらゆる場面で、様々に心が揺れているのが文面から分かります。
葛藤、勇気、躊躇、自問、挑戦、自信、信頼、後悔…様々なキーワードがぐるぐると頭の中を駆け巡ります。
そしてひとつの結論を導き出して、彼らは飛びました。


自分のチャレンジが大切なことを生み出したことが分かると、
他のメンバーのチャレンジを見る目も変わってきます。
「ちょっと向こうをめざしているように見えた」んですね。