チャレンジクエストin清里振り返り③

前回の子のふり返りに出てきた、一度あきらめて、最後に再チャレンジした子の振り返りです。
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 「PA」
 
 わたしは一日目のPAで、とてもこわいと思いました。その中でも「Aフレーム」はむずかしかったです。まん中に小さいグラグラする木があり、それをわたる時、とてもこわかったです。でもできた時は、とてもたっせい感が出ました。
 二日目の個人チャレンジもわたしはPAでした。でも今回は、1日目とはちがってそこの遊具をつかいました。わたしは、何mもの高さの木からとびおりるのをやりました。でも、わたしの番になって、はしごをのぼって、木のほうをのぼる時、こわくて止まってしまい、けっきょくリタイアしてしまいました。その後、後の人たちがとんでいるのを見て、何であの時リタイアしてしまったんだろうなどと、とてもくやしく思いました。そして、もう1回やらせてもらいました。
 今度はなんとか上までのぼれました。でも、なかなかとべませんでした。でも1回目のを思い出して、さっきみたいにはなりたくないと思い、とぶことができました。その時は、こわさとうれしさがまざったような気持ちになりました。でも、さっきもう一度やってよかったと、とても思いました。今だともうぜったいにできないと思うけど、その時は、1回目の失敗があったからできたんだと思います。そして、自分はまけずぎらいで、あきらめたくないというところがあるんだと思いました。

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この子、昨日の子の振り返りには15分と書いてありますが、実際はもっと(30分近く)プラットホームの上にいたと思います。まさに「葛藤」していたと思います。その間、下では仲間のメンバーがじっとビレイロープを握りしめて待っていたわけです。しびれ切らしてちょっと心無い言葉も出ていましたが、当の本人にはまったく聞こえていないでしょう。待っている仲間も、心無い言葉を発していた子にまったく悪気はなく、PAを知っている私がちょっと不快に思っただけなので、まったくチャレンジャーの子のことを考えて考えて考えて考え付いた言葉なので責めることはできません。ほとんどの子は、じっと無言で、上にいる子を見守っていました。自分がすでにチャレンジしたからわかるんですよね。上にいる子の気持ちが…。


 この子は、自分という人間がどういう人間であるのかということに気付きました。この子の気付きは、私には実はちょっと驚きなのです。たぶんこの子も自分自身に驚いたと思います。クラスルームで見えることと、この極限状態で見せたこの子の様相は、ちょっと違うんですね。ハイエレメントの威力はここにあります。