今年度もやってます!作家の時間

リーディング・ワークショップである読書家の時間と、
同時進行でライティング・ワークショップ「作家の時間」も順調です。
この二つで週4時間、あと書写で計5時間。
これで国語はおしまいです。
漢字は家庭学習、テストは計算タイムでやってます。
RWとWWで、国語科の3領域は押さえることができます。
RWが「読むこと」、WWが「書くこと」、
じゃあ、「話すこと・聞くこと」は?
とか簡単に割り切れることではありません。
いや、簡単なのかな。
RWもWWも、それぞれその中に、
「読むこと」「書くこと」「話すこと・聞くこと」がすべて含まれています。
しかもさらに、学習指導要領で押さえなければならない項目の、
さらにその上のレベルでの習得が可能です。
教科書を使うよりはるかに学べます。
学習指導要領には、教科書使いなさいって書いてないですよ。
それよりもっといい教材を教師が用意できるのなら、
そっちを使っても構わないのです。



国語の教科書に載っている作文教材は、
日本のどこかの小学生の作文です。
そんな文より、自分のクラスメイとが書いた文を使った方がいいに決まっています。刺激的です。製作過程も見れます。分かんなかったら聞くこともできます。アドバイスをもらえます。



教科書の物語教材を使ってやるよりかは、
巷にあふれている「本」を使った方がはるかに学べます。
15ページくらいの文を読むよりかは、
200ページくらいの本を読んだほうが力がつくというのは分かりそうなものです。
15ページの文に15時間の指導時数をかけるより、
その15時間で、自分の読みたい本をひたすら読んだほうが力になります。
だいたいですね、私たちは本を読むときに、
普通の国語の授業でやるような読み方をしていますか?
良識ある大人たちがしていないような読みを、
子供に押しつけていませんか?


巷には良書があふれています。
これを使わない手はありません。
泳げるようになるためには泳ぐしかないように、
本を読めるようになるためには本を読むしかないのです。
教科書は本じゃありません。
教科書の文も良文です。
しかし、そこだけにこだわる必要なないと思うのです。
こだわり過ぎです。



さて今日の作家の時間は2時間。
最初のミニ・レッスンは「短歌・俳句」新ジャンルに挑戦です。
教科書をミニ・レッスンの教材に使います。
教科書は、ミニ・レッスンのツールとしては非常に優れものです。
なにしろみんな同じもの持ってますし、
言語事項などは実に要約してうまくまとめてあります。
教科書を持ってこない子が多いので、拡大コピーして短歌と俳句について大事な事をレクチャーします。
以上、正味今日は20分でした。
これで教科書のこの単元の部分はおしまいです。
親しめばいいことなので、これで十分です。
このミニ・レッスンで教えたことを子供たちにやらせることはしません。
やる、やらないは自由です。
自分の書きたい事が、短歌や俳句で表わしたいと思ったらそれを使えばいいのです。
今日は2、3人の子が俳句に挑戦していました。

ひたすら書く時間は文字通りひたすら書く時間です。
でも、おしゃべりしてもいいのです。
書くことは個人的な作業ではないのです。
この時間に子供たちはお互いの作品について語り合っています。


共有の時間は作品を出版する場や、
友達からアドバイスをもらう場です。
逆に、友だちの作品から、すぐれた書き方を学んだりする場でもあります。
今日は作家の椅子を使って、下書き途中の作品を発表してもらいました。
そして、この先どうやって書いていけばいいか、みんなからアドバイスをもらいました。
みんなからアドバイスをもらった作家のノートはこんな感じになります。
うれしいですよね。


では、ここに、このときの途中まで仕上がった作品と、
それに寄せられたアドバイスを一挙公開したいと思います。



「いじめ」       ○○ ○


 だめだと思う。
 けど、助けられない。ごーた君がいじめられているのに、助けられない。なんか助けたら、ぼくもいじめられそうで、助けられない。見て見ぬふりをしてしまった。


 ぼくの名前はこうや、いじめの最初の発見者だ。こんなことだれにも言えない。どうしよう? でも、ごーた君の心の中は、もうきずつきまくっている。これ以上ごーた君を苦しめたくない。
 けど・・・・・・助けたらぼくは・・・・・・
 助けよう! ごーた君はぼくよりすごく苦しんでいるんだ!
 次の日・・・・・・・・・・・・
 やっぱりいじめられていた。よし、助けよう。
「あのー」
「なんだよ」
「いじめるのは・・・ちょっと」
「なんだ、お前もいっしょにいじめられたいのか」
「いや、そーゆーわけじゃなくて・・・」
 もう何を言ってもだめだった。けっきょくぼくとごーた君はいじめられた。ぼくはごーた君と帰った。
 最初にしゃべったのはごーた君だった。
「助けてくれてありがとう。すごくうれしかったよ。」
ぼくは、てれくさくなった。
「ここで待ってて」
「うん」・・・10分後・・・「はい」
ジュースだった。
「ほんとにもらっていいの?」
「いいよ」
ジュースを飲んだ。そうしたら、すさまじいいたみがおそってきた。
「いじめられているときに、口をかんだみたい。ごーた君は平気?」
「すっごくいたい。ぼくも口をかんだみたい」





      ??? さてこの後どうする ???
○ごーた君たちをいじめていた人たちが、今度はほかの人(強い人)たちにいじめられていたのを、ごーた君たちが助けて、ごーた君をいじめていた人たちとごーた君は仲良くなったとか。
○「いじめ」がなくなる方法を二人で考える。
○次の日はすごい味方がつくとか。転校する(いじめた人が)とか・・・。とりあえず、いじめがずっと続かないようにするのがいいのでは・・・?
○この後、いじめ返して、最後に二人で笑えるという方がぼくはいいと思うよ。
○「いじめられている子を助けよう」いいね〜。「この後二人でいじめっこたちに立ち向かう」とかどう?
○「やっぱり友達は大切だな」とか、会話するシーンにしたら? 
「いつかきっとふくしゅうしてやる」←うそ 
○最後に口をかんだみたいで終わるのがいい!! あと、ふつうでいい。
○夜、ごはんを食べているときにしみて、お父さんやお母さんに見つかって、「どうしたの?」って聞かれて、いじめられたとか言えなくて、自分の部屋ににげる。これからの日にも、いじめられて、顔とかにもキズができて、お父さん、お母さんは気づいてても口にしないで、学校の先生に相談する。
○二人で(ごーた君とぼく)いじめを止めようとして、いろいろな作戦をたててやってみる。先生に言おうとすると、いじめてくるやつらからおどされて、言えなくなって、二人はすんごい考えて、まわりの人に助けて(手伝って)もらうことにして、結局いじめをしなくなる。
○二人が友達になって、いじめた人をいじめる。
○先生に相談するけど、先生はとってもいいかげんな人で、とりあってくれない。
○ごーた君は自殺してしまう。「ぼく」はブチ切れてしまう。
○ごーた君は、ねがえって、いじめグループに入り、ぼくをいじめる。
○この後、2人で作戦を考えて、いじめられた人にお返しをする!っていうのはどうかな?
○けっきょくごーた君は転校してしまう。「ぼく」一人の戦いが始まる。
○これからだんだんいじめをこくふくしていって、立派な大人になり、「いじめはいけない」ということを本にする。っていうのはどう? すごくじーんと感じた。
○それからごーた君とぼくが仲良くなって、いじめっこをたおす計画をたてる。(いろいろしかけて、いじめっこをワナにはめる)
○ぼくはゆうきをもって、そいつらをぼこす。
○やはりここはヒロインの登場でしょう。すごい女の子があらわれる。
○ぼくが、いじめっ子たちに、「ごーたを一緒にいじめたら、いじめをやめてやる」って言われて、ごーた君をうらぎって、でも、ごーた君が、自分が困っているときに助けてくれて、「ごーた君ならこんなことしなかったはずだ」って思って、ごーた君をまた助ける。いじめっ子たちにも、「こんなことやって、はずかしくないの?」とか言っていじめは終わる。
○2人のもっている力がわいてくる。(超能力とか) それでいじめをこくふくする。
○その日の夜、夢にいじめっ子が出てきた。ぼくはいじめっ子にまちぶせされ、なぐられるところだった。ぼくはよけて、逆にいじめっ子になぐりかかった。次の日、昨日の夢が本当になった。ぼくは夢と同じようにやってみた。やった! いじめっ子は意外に弱かった。
○これから、2人でいじめをどうにかして終わらせる。みんなが、「やめなよ」って言っていじめが終わる。
○これからは、いじめられている人から逃げるか、それをどうにか改善するか?
○やった人に、これはやっちゃいけないとおしえたほうがいいよ。
○その後に、いろんなことでいじめられるけど、相手はだんだんいじめすぎて、逆にみんなからいじめられる。ぼくたちは、前にいじめた人たちといっしょに、みんなと戦っていく。(すごしていく)
○もう一人、ぜんぜんしゃべらない男の子が来て、「やめなよ」と言って、先生にそのぜんぜんしゃべらない子が、いじめのことを伝えて、クラス会議みたいにクラス全員で話し合い、解決みたいな!
○すごい物語の想定が「いじめ」ということで、とてもいいと思います。その後の展開は、それをきっかけに仲良くなっていって、そして数日後、いじめをした人にいじめをなくさす・・・かな。
○続きは思いつかないけど、「いじめの話」というのがテーマだよね。よく考えたよねー。すごい!!



このような感じでみんな学び合っています。