リーダーシップについて考える③

今回は、アクティビティ編です。
リーダーシップに焦点をあてるときによく使うアクティビティで、
風船を使った「バルーントロリー」というものです。

まず最初に、道徳の時間に口頭で挙げてもらったリーダーシップの中から、
「なかよし班交流会」を経て気付いた、
「こんなリーダーシップはいらない」を削除していきました。
これから、自分のクラスでいろいろな課題解決を行うとき、
どういうリーダーが必要か…という観点でも考えてもらいました。
いくつか削られていきました。


「命令を出す人」
「権力はときには必要かもしれないが、それをを振りかざす人はいらない」
「社長の子供・孫はいてもいいが、それを笠に着る人いらない」
「みんなよりエライ人の「エライ」がよくわからない。でも、自分が一番エライと思っている人はいらない」


さて、残った要素を、今日はアクティビティの中で発揮してもらいます。
自分の中にある、リーダーシップをしっかりと発揮してください。
「リーダーは一人ではありません」
「いろんな人のリーダーシップを引き出してください」
と伝えました。


「バルーントロリー」は、一人風船を一つふくらませて列を作ります。
前の人の背中と、自分の胸・腹で風船をはさみます。手は使いません。
列を作ったら、そのまま前へゴールへ向かって歩きます。
風船を途中落としたら最初からやり直しです。
失敗したら、なるべく場所を入れ替えて、いろんな場所を経験できるようにします。
今回は全部で3チーム、1列9人です。





これは実は。後ろ向きで歩いているところ。
前をクリアしたところは、後ろ歩きにチャレンジ。


15分間で、3チームともクリアしました。
普通、「先頭の人がリーダー」と考えてしまいがちですが、
このアクティビティは、先頭の人がリーダーだとうまくいきません。
全体をよく見れる、最後尾の人が声をかけるとうまくいきます。
でもそれだけでもだめで、全員が声を合わせ、気持ちを合わせ、心を合わせないとうまくいかないのです。
一人の強力なリーダーが、イニシアティブをとって引っぱっても、
絶対にうまくいかないところがミソなのです。
そういうところがあるので、このアクティビティはよくリーダーシップを考えさせるときによく使います。
発想の転換を子ども達に促すことができます。
もう一つ、「引っぱる」とうまくいかないということを比喩的に気付かせたり、伝えたりすることができます。
前に行こう行こうとすると、風船がはなれます。
後ろの人にゆだねないといけません。
後ろにゆだねながら前に進むということをしなければなりません。
そして最後尾の人はまさに「背中を押してあげるリーダー」になります。
リーダーシップと同時に、フォローアーシップについても気付かせてくれます。



終了後、子供たちに、今チームで起こったことを振り返ってもらいました。
うちのクラスは、もうすでに、道徳の時間にいろんな形のリーダーシップがあると気付いていたので、
それを確認するような形になりました。



本当はこのあとになかよし班交流会があれば、
体験学習サイクルでいう適用の場面に最適だったんですが、
ちょっとこちらの計画ミスです。
でもまたこのことは、いつか生かすチャンスがあると思います。
そのときに、子供たちの成長を確かめようと思います。