あるメールの返信

質問されたので答えた文です。
ちょっと加筆、訂正してあります。
青年よ、悩むのだ!!



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一番学び合える形は椅子だけでサークルになる形だと思います。
いや、椅子もいらないかも。
まあ、なにはともかく、サークルになることだと思います。
全員(先生も含めて)がフラットな関係になれます。
これを通常の配置にするのはちょっと無理があります。
なのでうちのクラスでは、この形になるのはクラス会議と、PAをやる時だけです。
本当はサークル対話っていって、
オランダのイエナプラン校でやっていること
(普段がバラバラに個々の課題をやっていて、
先生が時折みんなを呼んで話す時にこの形になる)
をパッとやりたいんですが、
なかなか物理的に今年は難しいです。
教室ではないですが、体育は「整列」はしなくて、
いつもこのサークルの形で話を聞いたり話したり体操したりしています。
ということでまずこれが一案。



次に学べる形がグループの形。
アイランド(島)型ってやつ。
これは絶対3〜4人。
5人以上だと焦点当たらない子が出ます。
一人が4人以上を追うことができなくなるからです。
あと、グループサイズが大きくなるということは、
物理的距離も遠くなるということです。
うちは今全部で9グループあります。
残念ながら5人グループが3つあります。
これもしょうがない、物理的に10グループは配置できません。
とまあ、うちのクラスは今これです。



よくあるのがコの字型ですが、
あれは結局は一斉授業型ですよね。
先生が黒板の前にいて、中心はそこ。
子供達は向き合っているからと言って、
実は全然交流していない。
あまりにも距離が離れすぎています。
相手の顔が見えるからといって、
反応を確かめながら話せるとはいいますが、
それはパブリックスピーキングの時だけで、
パーソナルスピーキングの時は距離が離れているので、
大声になりうるさいだけです。



では、黒板の前にも机を配置してロの字型にしたらサークルと同じになるのでは?
と思うかもしれませんが、これは全く似ても似つかないものです。
まず第一に、間に机があるとダメです。
サークルになるには椅子だけ、または生身の体だけじゃないとダメです。
机が入っただけで心理的距離はどーんっと大きくなってしまいます。
人と人との間にモノが介在すると、そこに壁ができます。
このコの字やロの字型は、ぐるっと2周クラスを机で分断します。
まさしく「動線」が一方向。
まあ、よくある「会議」ってやつを思い浮かべれば様子は分かるでしょう。
その点グループの形は、机が内向きに机だけでくっついているので、
人と人との間に机があるという感じがしません。
なので、島になっていて交流ができないと思われるかもしれませんが、
これが意外と遠くの班とでも心理的距離は近いのです。
ごちゃごちゃとしていて分断された感じがしません。
机は机、人は人って感じです。
班の中では4人の間に机があり分断された感じがします。
なので、ブッククラブ等、3〜4人で密に話すときは、
机を一個だけとか、机もとっぱらって椅子だけ、
またはじかに座ってサークルになります。



そして、何よりも「円」です。この円がすごい力があるのです。
「円」は「縁」でもあり「沿」でもあり「園」でもあり「宴」でもあり「援」なのです。
なんのこっちゃと思うけどもそうなんです!



子供をコントロールしたい?
とりあえずアブナイ子はコントロールしたいんだよね。
じゃあ、従来通りの全員が先生向いた俗に言う「後頭部凝視型」でいいんじゃないの?
その子にも学びを提供したいんなら、
子供同士で学び合える形にしたら学びは成立するよ。
ことは単純なんだと思うけどなぁ。




学ばせたいならサークル、またはアイランド(班)。
指導したいんなら後頭部凝視型。




でも、福島のとんたんさんのクラスは、
この並びでものすごい学び合いをやってました。
というか、ぜんぜん先生はしゃべらないし、
前面に出てこないので机の配置なんかどうでもいいんだと思います。
すごいクラスでした。
人だけいれば学べるんだと思います。
机はみんなの共有の作業台という感じ。


私は今、ひたすら子供達に理想を語っています。
ときには怒鳴っています。



こどもは出来るようになります。
先生は信じること。
理想を語ること。
恥ずかしがっちゃダメよ(笑)

     

             KAI