夏休み参観記③

3人目の方です。


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一時間目:算数


最初は何が起きたかわかりませんでした。
一言で表すなら自由でした。
ただの自由ではなく、学びの自由です。
教科書を開きだす人がいれば、プリントにまっしぐらな人もいる。
作業をする子どもたちの隣には学習の進め方(ガイドライン)がおいてある。
そこには


・乗り越えていく課題
・全時間数
・黒板の使い方(自由につかっていい)
・声のトーン(調子・大きさ)に注意
   (本当に学び合っている時は)声がおだやかになる


などが太文字で書かれているものでした。



子どもの数だけ進み方が違うといいながら一時間の目標を定め、
先が見えないままただ淡々とその一時間を過ごす。
わかってもわからなくても進めていく授業。
私の受けてきた授業です。
自らが逆の立場になったとき、この矛盾が怖かったのを覚えています。
最近ではそんなこと気持ちを曖昧にさせていたと思います。
参観させてもらった授業で様々な机の上や子どもたちの手の中でわかったという素敵な感覚が表れていたように思います。
学習の進め方(ガイドライン)は自己理解と他者理解といっていいのでしょうか。
人のカードをみて、わからないから教えてもらう。
これが実はとてもすごいなと思いました。
当たり前のことかもしれません。
しかしこれを当たり前にするためにはクラスがしっかり自分と他人を認め、
ある方向にすすんでいるからこそできることだと思います。
子どもたちが早く終わらないかな〜という授業ではなく、
自分の課題と向き合っていてどんどん時間がたっていく授業だと感じました。




最後のこの時間が実はとても勉強になりました。
先生と子どもたちとのフィードバックです。
今後の見通しを立てていたのは一人ひとりの子どもたち。
残り時間とおおよその目安を教えていたのは先生。
見通しを立てるのはあくまで自分でやっている自分である。
先生の時間の使い方、
子どもたちを支える姿勢、
まなび合いのための学級作り、
様々なことを考えさせられていました。




二時間目:読書家


 参観させてもらった5-1には本がたくさんありました。
それだけでなく、この学級の先輩たちの作品、ノートも置いてありました。
生きた教材だなぁと思い思わず手にとって見せてもらいました。
付箋紙で自分の感想が細かく記されており、
本を読む上での様々な手法がこのノートに詰まっているなという印象を受けました。


 
「今まで読んだ本を振り返ろう」ということで、
4月からの本をたくさん書き出していました。
Iくんは著者までしっかり覚えていました。


・たくさん読んだからいい、少ないからわるいわけではなく自分のペースで読んでいていい。
・また読書パートナーと本のことについて語り合う。(しっかり時間が定められている)
・あとは自分が一番落ち着いて読める場所を探して読む。




ただがむしゃらに一人で本を読んでいた私にはとてもうらやましい活動でした。
こうやって読んでいくことで、より楽しくよめるんだなぁ。




休み時間


陸上リレーの選手決めを見させてもらいました。


・勝つためのチーム作り
・先生ではなく子どもたちが決めるチーム


 学校は本来主体が子どもたちにある。
当たり前様のようでそれをなかなか実践できずにいるもどかしさよりも、
今この場で主体が子どもたちにあるということ。
「できない」のではなくて「やる」か「やらない」ということなのかと思いました。




三時間目:作家


 この時間に先生が2つのコンクールについて紹介していました。
夏休みのことです。
ただ、宿題ではなく、自分のペースでやってきてほしいなという紹介でした。
「描いてみたと思ったときがチャンス」
しかし、自分ひとりでやっていく作業になる。
また見てもらえるのは家族ということ。
そのうえでの紹介。



文学賞コンクール
二つのコンクールの賞・景品に子どもたちはいいリアクションをしていました。
紹介をし終わった後、先輩の話を交え、5-1に届かないものではないということ。
を伝えていました。
そのすぐあとに書く時間があり、
子どもたちが自発的に「どっちにしようかな」「なにを書こうかな」と思考をめぐらせていた場面が印象的でした。
みんなで話しながら構想をねっていく過程に少し参加できたことが嬉しかったです。




四時間目:PA


三時間目が終わってから、
ゴリラのゲームについて子どもたちが説明をしてくれました。
おかげで、一緒に参加することができました。
ゲームをやっている最中、
「私たちには準備体操がないんだよ。これが準備体操なの」
と教えてくれました。
こんなに楽しい準備体操いいですね。
しっかり給水の時間を設けてもらい私も汗だくで活動しました。



ボールに当たったら座り、自分が当てたら復活。
これはとても面白かったです。
壁際にはいつくばっているだけでは、
そこで当てられたとき、ボールがこない心配があるし、
真ん中に出て行けば、四方八方からボールが飛んでくる。
白熱しました。



フラフープを人差し指だけで支え下におろし、
最後にみんなで指を抜き完成させる活動では、
なぜか上に上がっていくフラフープ、
予想しないところで手が離れてしまうアクシデント、
声の掛け合い、
共同作業、
言葉でのぶつかり合い、
理解、
集中、
様々なものがつまっている活動だと思いました。


このときも、やはり前回の振り返りをしっかり活動の中に入れることで、
意識はきっと違うんだなと思いました。
それが、最後のまとめでしっかり表れていたように思います。
それは、「達成感がない。」とか、
前回がどんなチームでどんな風に行われていたのかはわかりませんが、
「全員が本音で振り返ることができていない。」という意見。
様々な意見が交わされていく中で私自身考えさせられていきました。
何を怖がっているのか?
常識なのか?
なんだそれ?
子どもたちが感じている煮え切らない思いを感じながらこの時間が終わりました。
この活動は、一時間という枠ではなく子どもたちの活動を見極めて時間を終わらせる。
そういった授業になりました。




この4時間の中から私は



・聴く姿勢(手をひざに、聞く人のほうを見て)を気にすることの意味。
・学び合いに話すという動作は必要不可欠なもの。
・リフレクションと見通しを子ども主体で行っていくことの大切さ。
・学校は子どもが主体で活動をすることで学び合いが楽しいと思える。



など
反省と感想を持ちました。
ある子が、夏休み明けのときにも来るの?
と嬉しそうに聞いてくれたことが嬉しかったです。
皆さんが3月31日に学級目標どおりになれることを期待しつつ、
私自身も反省や感想から学習していきたいと思います。
5−1のみなさん、先生ありがとうございました。



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こちらこそありがとうございました。
PAのアイスブレーキングは、
ゴリラのが「ジャングルゴリラ」
ボールのが「めちゃぶつけ」と言います。
ぜひやってみてください。
一番学べるのは「ルールを守る」「正直になる」ということです(笑)



「煮え切らない思い」いい表現ですね。
そして、そう感じさせた授業、よかったよかった。



この煮え切らない思いを残して終わるのっていうのが私の理想です。
考えてる証拠ですから。



下手に先生がまとめて一件落着にしないことです。
彼らの中でまだ体験学習サイクルは回っているのです。
そしてあるとき「なるほど!」って思えればいいと思います。