旅のくつ屋がやってきた
100ページ弱の小編だけど、
かなり読み応えのある内容です。
旅のくつ屋と少年の心温まるお話かと思いきや、
少ししたところで急転直下して、
人間の憎しみの連鎖やら拭いきれない恐怖やら、
集団心理の恐ろしさ、疑心暗鬼と探り合いと…
短いストーリーにブッ込んできます。
逃げ続けた住民がくつ屋をどうするか話し合う場面、
少年とくつ屋が1対1で対峙する場面はスリラー映画の一場面のようです。
これらも怖かったですが、
私が一番怖かったのは、
友達のリックが壁に並んだ30挺あまりの銃を見て、
「あれ、おれにも使わせてくれるかな?」
と無邪気に聞いた場面ですね。
最終的に答えは謎のままなのですが、
その謎解きもブッククラブしたらおもしろそうです。
最後の場面、ハートウォームな場面と捉えるか、
いやいや、けっこうひんやりとする恐怖な場面と捉えるか、
どっちでしょう?
普通に読んだら前者ですけどねぇ、
私はひねくれてるから後者かな。