ライフヒストリー

もうはるか春休みの話ですが…


「授業づくりネットワーク2009春」で講座をもたせていただきました。
題が「個人史の体験学習法」という、ちょっと不思議な題でした。
これは、「ライフヒストリー」という手法を使ったものです。
前半60分は、講師の演習を中心とした講座で、
後半が肝のライフヒストリーアプローチによる講座です。



インタビュアーがいます。
インタビュアーが、体験学習法のことについてインタビューして、
それに講師が答えるというのがたぶん今までだったらありえたでしょう。
でもライフヒストリーのアプローチは違います。
インタビュアーは、講師と講座の内容との接点や歴史について質問します。
要するに…
なぜ講師はそれに出会い、必要とし、そのどこに有用性を認め、どのような過程を経て、そういうスタイルになったのか…
というようなことを質問していきます。
こうすることで、講座の内容を理解するだけでなく(いや理解するなら別の方法がいいのかも)、
その手法が、参加者にも実現不可能なことではなく、
そのプロセスを理解することで、
いきなり身近なものになる感覚になるんじゃないかと思います。
(自分は参加者じゃなかったのでよくわかりませんが)



私のインタビュアーは、
授業づくりネットワークの代表の上條晴夫氏でした。
緊張しましたが…




うまい!
上條さんがうまいです。
この方はほんとにすごい人です。
要点をまず3点に整理し(前半の講座の最中に見つけておいたらしい)、
そこを切り口にズバッと質問してきます。
講師のほうは、コンテンツではなくプロセス、ようするに自分の歴史なので、分からないということはないから楽しくしゃべれます。
好きなことですしね。
願わくは…
もう少し時間がほしい。
ちょっと30分じゃ短いですね。
結局、上條さんの質問だけで、
参加者からの質問をもらうことができませんでした。




前半の演習中心の講座のほうは、
60分で体験学習法とは何かから、
それを使った私の授業スタイルまでをを参加者に伝えなければならず、
かなりバタバタでしたが、
以前AKIRAがゲーム合宿で5分間で体験学習サイクルを回したファシリテーションを思い出し、それを参考に組み立ててみました。
アイスブレーキングゲームを5つくらい行い、
それを振り返り、一般化し、共有し、適用までの流れを30分でやってみました。

もうすでに何をやったか忘れています(笑)
じゃんけんチャンピオン(勝ち・負け)
あいさつペアゲーム
アイキャッチ
ハブユーエバ
ルックダウンルックアップ
ラインナップ(名前順、誕生日順、思い描いた好きな動物の大きさ順)
こんだけだったっけ???
これをジェットコースターのようにやって、
3〜4人のグループをつくって振り返り。
「これアイスブレーキングゲームのいくつかんなですけど、
 アイスブレーキングゲームの効用って何でしょう?
 今体験した事をもとにしていくつでも要素をあげてください」
「経験したことからですよ」
「いくつか出た中で、
 みんなでそれはそうだねと納得したものがあったら、
 画用紙に書いてください」
と、一般化。
「今のグループから一人だけ残って、
 他の人は違うグループに行ってまた話し合ってください。
 残った人は新しく来た人に、
 今ここで何が話し合われたかを説明してください。」
と、ワールド・カフェの手法で共有していきました。
(これ、なんだかワールド・カフェ本来の姿ではないらしい)
最後に、ギャラリーウォークの方法で全部の要素を見てさらに共有。
元のグループにもどって、
「そこにある要素を、明日からの自分の職場に生かすとしたら、
 どのように使うことができますか?グループで話し合ってみてください」
と適用。
これで、体験学習サイクルが一回りしました。
30分のところが40分になってしまいましたが…。



そのあと、パワポで体験学習サイクルの理論的な部分をレクチャー。
そしてその出会いについて軽く触れ、
今現在までのターニングポイントについてエピソードとともに話すつもりがそれは後半にということでちょっと無駄に。
そして、今現在、体験学習法をどのように学校のカリキュラムに取り入れているか、
しいては、教科教育にどのように取り入れているかについてお話しました。
いや、しかし…60分じゃ難しいです。
全体を3時間くらいにして、
2時間ワークショップ、1時間ライフヒストリーでいいんじゃないですか?
ってそれは今後のネットワークに期待しましょう。
あー、でも、もうこれにはお呼びがかからないかな?




このライフヒストリーアプローチは、
まだ始まったばっかりで、なんともはっきりとした形はないのですが、
可能性はかなりあると思います。
楽しみですね。
今度機会があったら、インタビュアーをやってみたいです。