川のむこうの図書館

 

川のむこうの図書館

川のむこうの図書館

 

 『坂の上の図書館』の続編です。

続編とは言っても、話は違います。

違うとは言っても、1巻に出てきた子が主人公になっています。

「同じアパートに住む春菜と同じく要支援家庭の竜司くん」です。

竜司くん、1巻ではけっこうキーポイントになる役柄だったのですが、

途中でぱったりと出なくなります。

その理由はこの2巻でわかります。

竜司くんの家も、春菜の家と同じ「貧困」を抱えています。

またもや作者はさらりと書いていますが、

これ、小学生に読ませるにはけっこう勇気いるかも。

そして、読者にも同じ境遇に近い子がいる場合、

とても配慮を要すると思います。

 

 

再生のお話ですが、ラストは1巻と同じく再生が確約はされていません。

考えさせられるのですが、図書館や本がそれを救うのではないか…

という希望が見えます。

スペインの本屋さんで、本の買えない子どもたちに対してはじまった、

「読書へのアニマシオン」とちょっとかぶるところがあるように思いました。

3巻が出版されるのを期待して待っていたいと思います。