児童がおすすめする児童書①

頭が痛くなってきたのでちょっと休憩。



リーディングワークショップに取り組み出して6年が経ちました。
6年前、児童書をむさぼるように読みました。
実は火種はそこからさらにさかのぼること5年、今から11年前。
黒木秀子さんの「読書へのアニマシオンの講座」で。



小学生の頃はSFと図鑑ばかり読んでいました。
中学校に入って、すぐに兄の影響や学校の取組で、
ちゃんとした「大人文学」?に入っていっちゃったので、
「児童文学」に関してはほとんど読んでいませんでした。
アニマシオンの講座で、「ナルニア国物語」や「モモ」「ゲド戦記」など初めて目に触れました。
恥ずかしながら、それらの本について、当時はまったく知りませんでした。



アニマシオンやライティングワークショップの研究で絵本にも触れ、
その世界に入り込みました。
そして、リーディングワークショップを始めるにあたって、
「現物」が大量に必要になったわけです。
ブックオフを巡り、1000冊以上の本を1年目に集めました。
それはもう手当り次第に。。。
その中からおもしろそうな本をこれも手当り次第に…。



そんなこんなの児童書遍歴です。



でも、ここから大事なこと言うね。
よくこういう感じでおすすめの本を紹介しているHPやブログがあるけど、
これからおすすめする本はちょっと違います。
ここにあげるのは、
私がが読ませたい本ではなく、
子どもたちが支持している本です。
子どもたちが読みたい本であり、おススメできる本であるということです。
なので、私の教室にある1600冊の中から、
子どもたちにまったく選書されなかった本は紹介に値しません。
学校の図書室には、「先生が読ませたい本」が山のように購入され、
手に取られずほこりをかぶっています。
毎年図書購入で先生たちに購入したい本を用紙に書いてもらうのですが、
ほとんどの先生(9割以上)はまず書きません。
ここにおいてすでに本による教育的な効果を知らないか期待していないかです。
でも、ほんとのところは、児童書を「知らない」「読んだことがない」からです。
そんな先生たちが、「最近の子は本を読まない、読めない」と言っているのだからこわいです。



書かれる先生の注文を見てみると、
そのほとんどが、「自分が教えたいこと」に関する本です。
そしてそういう本はたいてい小難しくてえらそうで、説教臭いです(笑)
「子どもにはこういう知識が必要だ」って感じです。
「こういう本は読んどかないと社会的常識として将来困る」とかも。
「教科書に出ている作者の本だから」とか。



余計なお世話です。



もうひとつ傾向があって、
それは、「興味付け」のための本を選ぶんですね。
こんな感じで語られます。
「あの子でも、こういう本なら読むだろう」
そして選ばれる本は…
「妖怪図鑑」



馬鹿にしてる?




「今、ここ」の、この子ども時代に、
彼らが欲していて、
読めば心揺り動かされ、
ドキドキワクワクし、
心が張り裂けそうで、
握りこぶし握っちゃったりなんかして、
くすっと笑っちゃったりもして、
あこがれたり、
尊敬したり、
生きる勇気をもらったり、
将来の夢になっちゃったり、
急に人に優しくなっちゃったり、(笑)
泣いたり、
そんな本がいいな。




西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

女子にも男子にも人気です。
私もおススメしますが、
これは子どもたちの中で(特に女子)自然と広まって読まれていきます。


ミカ!

ミカ!

これも同様に、自然に広まっていきます。


くちぶえ番長 (新潮文庫)

くちぶえ番長 (新潮文庫)

読まれる頻度でいいったらこっちのほうが上記2冊よりも多いです。
読みやすさがいいのでしょう。
共感できるところも多だろうし。



カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)

6年生になって多くの子に読まれるようになりました。
大人の階段登るって感じかな。



ふしぎな木の実の料理法 (こそあどの森の物語 1)

ふしぎな木の実の料理法 (こそあどの森の物語 1)

このシリーズは、根強い人気があります。
たくさん子に読まれています。



びりっかすの神さま (偕成社文庫)

びりっかすの神さま (偕成社文庫)

上記と同じく岡田淳さんの作品ですが、
岡田さんの作品の中では一番子どもたちに読まれている本です。
「二分間の冒険」でもなく、私の一押しの「竜退治の騎士になる方法」でもなく、
この本が一番読まれています。


ハリー・ポッターと賢者の石 (1)

ハリー・ポッターと賢者の石 (1)

5年生の最初の頃はかなりの子が読んでいました。
しかも、繰り返して何回も。
中毒性があるのでしょうか…?
私は2巻の「秘密の部屋」の途中で挫折したのでなんとも分かりません(笑)



ダレン・シャン 1 (小学館ファンタジー文庫)

ダレン・シャン 1 (小学館ファンタジー文庫)

ファンタジー系の中ではハリポタより人気があります。
中毒性はこっちのほうが高いような気がします。
ちょっとグロいのが、厨二病の子どもに受けています。
全12巻読破のコンプリーターが続々と誕生しますよ。




獣の奏者(1) (講談社青い鳥文庫)

獣の奏者(1) (講談社青い鳥文庫)

獣の奏者エリン」というアニメを知っている子はまったくいませんでした(笑)
ということは、この本が支持されているのはまったくもって本の内容の素晴らしさということになります。
私は口酸っぱく「精霊の守り人」をおススメするのですが、
だれも読んでくれません(ブッククラブのたびに紹介するのについに一度も選書されなかった 泣)
獣の奏者のブッククラブはすごいです。
超盛り上がります。
あー、そうそう、ハードカバーもありますが、
本の厚さを見た時点で数m後ずさる子が多数なので、
この絵の「青い鳥文庫」版を必ず用意してください。
4冊に分冊されているのでとっつきやすくて読みやすいです。


ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)

ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)

ブッククラブから多くの子どもに読まれている本です。
この本でのブッククラブは爆発的に盛り上がります。
そして、ここから「ぼくらシリーズ」にはまる男子が数人います。



グースバンプス (1) 恐怖の館へようこそ (グースバンプス 世界がふるえた恐い話)

グースバンプス (1) 恐怖の館へようこそ (グースバンプス 世界がふるえた恐い話)

5年生の最初の頃、まだ本になじめない子がたくさん読んでいました。
これはホラーなんですが、世界で一番読まれている児童向けホラーなんですって(と昔は言われていました)
これ、ドタバタでもないし、スプラッターでもないし、
けっこう文学性が高い、いい文章なんです。
なめちゃいけません。
多くの子に支持されるには、それなりの理由があります。



源平の風 (白狐魔記 1)

源平の風 (白狐魔記 1)

6年生になって、社会で歴史が始まると、
「歴史物が読みたい」という男子が必ず現れます。
そういう子に人気になるのがこのシリーズです。
学習教材として(学習マンガも含めて)伝記物もいろいろ本としては出てますが,
そんな本に子どもが見向きをすると思っているの?
あー、学習マンガより、「信長協奏曲」や「火の鳥」を置いとけばいいと思います。
手塚作品は前の学校ではかなり置いてありました。



のぼうの城

のぼうの城

この本も上記と同様な理由で今までにかなり読まれました。
一番読んでいるのは私ですが(笑)
これは文句なしにおもしろいですよね。



波間のこぶた (角川文庫)

波間のこぶた (角川文庫)

これはクラスの半分くらいの子が読んだんではないだろうか。
文章少ないし。
銀色夏生さんの本は、詩集も含めてそれなりに静かに読まれています。



小学生日記 (角川文庫)

小学生日記 (角川文庫)

これは女子によく読まれました。
共感するところが多いのでしょうね。
同時に、考えることも多いのでしょう。



あー、ここまできて休憩にならないほど疲れてきたので。
①ということにして切り上げます。
②はまたいつか出ることでしょう。
そして、私が独断と偏見でおススメする児童書もそのうちに…
では事務処理に戻ります。
さようなら〜😔