第3回裕幸講座〜OEC体験から学ぶ〜

7月11、12の土日は田中裕幸さん(アウトドア・エデュケーション・センター代表)の楽学主催の第3回目のワークショップでした。
第1回が「プログラムデザイン」
第2回が「ファシリテーション
そして第3回…
今回はもろ「体験」
2日間、アウトドア・エデュケーション・センター(以下OEC)のプログラムにどっぷりつかって、
その中からOECのノウハウを学ぼう!という主旨です。
OECのノウハウ=体験学習法やらプログラムデザインやらファシリテーションやら、そんなもの一切ひっくるめての「考え方」「やり方」「在り方」です。
大筋のプログラムは、「新入社員研修」のものを縮小したものだそうです。




一日目午前中は「自己概念チェック」
自分というものについてひたすらに問いかけていきます。
観点は大きく分けて2つ。
一つが基本姿勢。
これは細かく「本気」「本音」「本物」「関係力」「責任力」に分かれている。
もう一つが基本能力。
同じく「人間関係力」「自己コントロール力」「課題達成力」に分かれる。
この二つを認識すること。
この二つの観点は、これからのプログラム中や振り返りの時に何度も立ち戻ることになります。

このチェックシート、なんとかして子供用にも開発したいと思いました。
夏休みの宿題です。



午後はアドベンチャーラリー1
二日目のプログラムの内容を記した資料を、
オリエンテーリングのポイントを一つ発見したごとにもらっていきます。
オリエンテーリングが初めての体験でしたので、
なかなかにわくわくしました。
ステージが2つに分かれていて、前半は個人戦、後半はチーム戦です。
全体の時間配分が絶妙で、
2チームともにぎりぎりのラインでの攻防になりました。



夜は、明日のアドベンチャーラリー2の概要説明と各チームの作戦立てです。
新入社員研修なので、全体が営業実績競争という形になっていて、
いかに経費を削減して、多くの利益を上げるか…という競争になってます。
うまく言葉で説明するのが難しいのですが、
アドベンチャーラリーは三つのチャレンジからなっており、
そのチャレンジを解決するごとに収益が上がります。
ただそのチャレンジは、道具が必要で、その道具を借りるのに経費がかかります。
経費を極力抑え、いかに多くの収益を上げるか…
これが問われるわけです。
多くの道具を借りれば課題はクリアするだけでなく、
時間の早さや、正確さによって区分されている収益の上位を狙えます。
しかし莫大な経費がかかり、その分が収益から差っ引かれます。
経費を抑えると、課題達成は難しくなります。
でも課題を達成すればかなりの収益が上がることになります。
要するにアイディア、チームワーク、効率さなどなどいろんな要素が絡み合ってくることになります。
これを夜中の12過ぎまで延々と考えるわけです。
すでにかなりハードです(笑)



二日目はアドベンチャーラリー2
一つの目のチャレンジが「ロッククライミング
私は一度経験済みのゲレンデだったのでちょっと安心。
しかし…
これまた時間設定が絶妙で、
残り10分を切ったところで登攀開始。
そして残り5秒でクリア。
いや〜疲れました。
一度は途中であきらめかけましたが、
ダメもとでジャンプなんかしたりしてかなり無理しました。
でもやってみないとわからんことは多い。
ひとつ確実に学んだことは、
「やせなきゃいかん」ということです。




これは登ってるところじゃなくて降りてるところです。
えらく傾いていますが実際は垂直です。



二つ目は「リバークロス」
川を40mのザイルで渡るというシンプルなもの。
でも昨日の夜に一番考えたやつです。
計画通りに最初はやりましたが、どうもうまくいかん…
時間もなくなってきた、このままじゃ収益も上がらない、いやそれどころかクリアできない、クライアントに対してそれはできない…
ということで金を惜しむことなく投入!
そしてまたまた絶妙な時間配分になっているなぁと関心しきりですが、
制限時間1秒前にクリア。。。
収益は微々たるものでした。



三つ目は「ストレートハイク」
400mをコンパスを使いながらまっすぐに進み目標物にたどりつくことが課題です。
しかしその400mが、道なき山の中。
藪をかき分け、崖を上り、下り、はいつくばってチームで進みます。
これまた時間配分が絶妙で、ぎりぎりのところでタイムアップ。。。
目標物まであと数十mというところでした。
これは収益なし。
残念。。。



そしてここからがまた試練。
スタート地点まで制限時間内に戻らなきゃならない。
全体の時間も制限時間が設定されていて、それも収益に響きます。
ですからチャレンジの間ものんびり移動してられません。
昼食も歩きながらです。
いったんは走り出したものの、
途中、これはムリだということでみんなで歩きました。



で、結局10分遅れでゴール。
収益は散々でしたが、もうひとつのチームには勝ちました。
当然といえば当然ですが、勝ち負けなんてたいしたことではなく、
そこで何が起こっていて、それに対して自分はどうかかわり、チームはどう機能していたかということが問題になるわけで…



ということで西湖湖畔で振り返りです。
これに約1時間、ここでの学びが濃密で、幸せな一時間でした。
メンバーは何を考え、どうかかわっていたのか。
チャレンジ中はほとんど見えない、聞こえないことが多いので、この時間は貴重です。
そして自分はどう考え行動していたのか、
それを前日の自己概念チェックと照らし合わせながら考えていきます。
それなりにチェック後の段階で、今日はこうしようという目標設定も行ったので、
それらの内省も含めながら語り合いました。
ファシリテーターのきのさんがまたとっても引き出すのが上手でとっても参考になりました。



さらに国立中央青少年交流の家に戻って、
二日間のプログラムデザインについての振り返りです。
ここではOECの考え方や、ファシリテーションについてや、
プログラムを実施するにあたっての準備やら想定やらの貴重なお話を聞くことができました。
この12人の参加者の一泊二日のプログラムのために、
4人のスタッフが4日前から前泊して準備をしています。
プログラム中も常に綿密な打ち合わせをちょくちょくしています。
たぶん一日目の夜は遅くまでスタッフミーティングが行われていたのだと思います。
やはり本物の仕事をする人たちは違います。
うちらの移動教室なんて実にいい加減かがよくわかります。



二日間、非常に貴重な体験をさせていただきました。
プログラムをつくってくださったOECの方々、
一緒に参加してくれた11人の仲間、
どうもありがとうございました。
あまりいたらなかった企画者でしたが楽しんでいただけたでしょうか??
また機会がありましたら裕幸さん講座第4回目を開催しましょうね。
まだ予定していた「振り返りと評価」についてやってませんですもんね。




さてさて、疲労した身体をシートに横たえ、1000円渋滞へ突入…
しかし…
退屈しませんでした。
渋滞にはこれ、「ウミガメのスープ
5人中3人がファシリテーターで2人が回答者。
いやいや盛り上がりました。
ゴリと2人で悪いファシリテーターになって楽しんでしまいました(笑)