教室改善プロジェクト第2幕の結果

夏休み後の仕掛けでした。
報告が遅くなりました。




仕掛けのようすはこちら↓↓↓
http://d.hatena.ne.jp/kaisaki37/20100724




自分たちの学びの場は自分たちで創る。
学びやすいように改善していこう。
オーナーシップをもつ!
というコンセプトのもとに、教室は日々進化しています。
大幅な模様替えは今回が2パターン目ですが、
細かな改善は、子供たちが掃除の時間や休み時間を中心にちょこちょこと教室をいじっています。





夏休み前の教室の様子はこちら↓↓↓
http://d.hatena.ne.jp/kaisaki37/20100822/1282488545




宮城さんに「くだらねええ」と言われそうですがこれがどうなったか、以下報告です。





1時間の予定で考えていましたが、
実は2時間かかりました。
なぜかというと…
朝、私が教室に遅れていくと、
もうすでに教室は机配置が終わっており、
子供たちはいすに座っていたのです。
でも…




教室は夏休み前と同じ形に戻されていました。
ちょっとガックシ…





しかし気を取り直して、もう一度再提案。
「見守る」という立場から「質問する」立場へ。
「学び合いやすいカタチってどういうカタチ?」「これ?」
再び動き始める子供たち。
しかし、その行動に一貫性はなく、
動いている子も、掲示物を作ったり、本を整理しているだけ…





なるほどなるほど。
コンセンサスの方法が分かってない。
そりゃそうだ!
そんな経験ない。
しかもこの課題、あまりに突拍子ない。
なので…





ちょっと作業を中断して、みんなの意見を出し合うことに。
「何かアイディアある人いる?」
と。
いくつかアイディアが出てきましたが、
ある女の子の言ったアイディアに、みんなの反応が集中!




そして一気に動き始めます!



なにやら本棚周りに人が集中しています。




手前のでかい小学生は参観者のしみちゃん。






39人全員が動いています。
アイディア出しただけで、配置の計画も何も決めてないのにみんなが一斉に動いています。





でかい本棚が引きずられてきました。
そこは教室の真ん中ではないかい??




そして…
こうなりました。

教室のまん真ん中に読書の部屋が鎮座します。
彼らの大切にするものは、本…ではなくて、
まあ、本もあるのだろうけど、そうじゃなくて、
「共通の場」なんだろうと思います。
交流の場とも。
これが「公共」ってやつ???
みんなで居れる場所って、安心できるんでしょうね。
私たち人は、まちづくりで、必ず公共の場を設けるように、
子供たちも、自分たちの小さな社会の中に、
こういう「公」の場を創ろうとするのですね。
今までははじっこにあったこの場所が、
教室の真ん中にきたことに、すごく意味を感じてしまいました。





さて、その部屋を真ん中にして、
子供たちの机はどうなったか、
「学び合うカタチ」をかれらがどうとらえたかというと、
その答えは、「サークル」でした。
部屋を中心にして、子供たちは自分の机を「丸」にし始めたのです。
実はこれと同じようなことが前にもあって、
卒業していった子たちも少人数算数の授業でこの形に勝手にした事があります。
子供たちの感覚ってこうなんですね。
大人もそうか…
こうなると、イエナプランのサークル対話ってなんとなくその意義が分かってきます。




しかし…





ここで彼らに試練が訪れます。





机が…





入らない…








ただでさえ狭い教室に、39人+大人1人の机。
物理的に不可能…
文科省に何とかしてもらいたい問題です。
この教室の広さに、39人は無理でしょう。
「精神的、身体的圧迫感がもたらす子供への悪影響」なんていうのを、
どこかの偉い教育心理学者がレポートしてくれませんかねぇ。
一人当たり、1㎡ちょっとの専有面積しかないんですよ。
そこに自分の机と自分が入るんですから。
しかもそれを毎日8時間、年200日続けているわけですから、
良い影響があるわけないです。
しかも、うちのクラスは椅子にじっと座って聞くだけの授業は皆無なので、
だれもかれも、つねに人かモノかの何かに「ぶつかって」います。
心理的ストレスがたまっていくのです。





と愚痴っても始まらないので、
机は結局アイランド型へ収束させました。






先生の机はそのまま。
よかった、よかった。(遠慮してくれて)




こんな感じで、あまり見られない形の教室になったわけです。
本棚が真ん中に来たことで、動線がくるっと円になりました。
中には背の高い本棚もあるので、一部、向こう側の席が見えません。
これで、完璧に、一斉授業はできなくなりました。
黒板は有形無実化しました。
子供たちが一斉授業を拒否した、日本では稀有な教室です。




その後、あまりにも真ん中のスペースがでかすぎて、
これまたハイプレッシャーだったので、ちょっと小さめにスッキリさせました。










しかし…







この教室はもうこの世に存在しません。
昨日すでに3回目のトランスフォーマーをむかえました。
さて、どのように進化したかは、また次回!!





同じような取り組みをしています。
こちらの三人の方の実践もどうぞ。


「いわせんの仕事部屋」
http://d.hatena.ne.jp/iwasen/20100911
http://d.hatena.ne.jp/iwasen/20101013/p2


「イガ★せん学級冒険日誌」
http://igasen.blog22.fc2.com/blog-entry-142.html


「たいようのキャラメルボックス
http://d.hatena.ne.jp/sakanastone/20101012/1286889928
http://d.hatena.ne.jp/sakanastone/20101014/1287069531


こちらも今後に注目!
これからどうなるのか、今一番気になる教室です。
http://manabiai.g.hatena.ne.jp/tontan2/20101014/p1