リーダーシップについて考える

6年生は「なかよし班」の班長さん、副班長さんになります。
なかよし班とは、よくある縦割り班のことです。
1年生から6年生までが、学年の枠を超えて、15人くらいで班編成され、
遠足、いくつかの集会、花植え、球根植え、街路マス手入れ、お別れ会と、
月に一度くらいの割合で活動を行います。



6年生は当然ながらリーダーとなり、みんなをまとめていくわけです。
伝統的に、この活動で、6年生は最高学年としての自覚を高めていくことになります。
決まりきった活動ではあるのですが、逆にそれは安心感にもなり、
こちらのフレームワークとファシリテート次第では、
とても有意義に、子供たちの主体的な活動を創ることができます。




本活動に入る前に、アクティビティの中でリーダーシップについて考える機会をつくりました。




アクティビティのフレームはこれ。
生活班で、飛行機工場のチームになってもらいます。
A5サイズの紙を10枚配布します。
その10枚の紙で紙飛行機をつくるのですが、
生産する飛行機には規格があります。



・全長13cm以上
・全幅8cm以上(一番広いところで)
・7m以上飛ぶこと(まっすぐ)



です。
最終的に上の規格にあてはまる飛行機を15分以内に5機提出してもらいます。



そして、チームの中で、工場長(リーダー)を一人決めてもらいます。
決め方はどんな方法でもかまいません。
リーダーのもと、各チーム製作開始です!




検査場にてテストフライト。
床面に7mの長さにラインが引いてあります。
「まっすぐ」とは、この廊下の幅を左右の壁面にぶつからないように飛ぶことです。





提出された機体。
その後、検査官(私)によって厳しいチェックが入ります。(笑)
機体の全長、全幅。飛行距離、提出時間、提出数などなど。


ほとんどのチームが全機同じ形でない。
そんな中、全機同じ形の飛行機を提出したチームが2チームある。


ほとんどのチームが時間に間に合わなかった。
そんな中、「なんでもいいからとりあえず出せ!」とさけんで間に合ったチームが1チームある。


ほとんどのチームが全機が飛行距離をクリアできない。
そんな中、全機バラバラの機体で、余裕にすべてクリアしたチームがある。



で、各チームごとに成果を発表します。



んでんで、振り返り。



いやー、振り返りのポイントがたくさんあるアクティビティだなぁ。
別の視点でもう何回かやりたいです。


結果も当然大事。
クライアントからの会社に対する評価はほぼ結果で決まる。
社員(メンバー)に対する評価はプロセスも重要。
でも今回はリーダーシップについてにフォーカス!!


最初の問い。
「今の活動内で、リーダーがやっていたことって何?」



うーむ。。。堅い(笑)
これを黒板の左側に板書。


次の問い。
「みんなが下級生だったらどんなリーダーがいてほしい?」



うーむ。。。柔らかい(笑)
これを黒板の右側に板書。



そして…
この二つのリーダーシップのギャップについて考える。



たいていは左側の要素を子供達はリーダーシップととらえます。
(右側にもありますが)
要するに…
「グイっとひっぱる」タイプ。
「ピシッとけじめよく指示を出すタイプ」
これが子供たちの中でのリーダーシップとられがち。
実際のアクティビティの中の子供達でも、
また、実際のなかよし班での今までのうちの学校の6年生も、
こんな感じになってしまいます。



でも…
実際に望まれるリーダーシップは違うということです。




高度経済成長期のリーダー像と、
この大不況下、多様性の社会でのリーダー像との違いとよく言われますが、
そんなことは子供達は知りません。



チームとして、同じ目的をもった集団の中で、全員がいかに個々人のパフォーマンスを出し、目的を達成するか、
これがリーダーとして求められます。
そのためにリーダーは何をしないといけないのか…
それについて子供達はいっぱい考えたんではないでしょうか。



これ、おもしろいからやってみてください。



私の小講義での板書。

2種類のリーダーの立ち位置の図。
グイっと全体を統率して引っ張るか、
メンバー横に寄り添うか、後ろからそっと後押しするか。




あっ、ちなみに、機体の全長、全幅をしっかりと規定しないと、
鉛筆のようなミサイルとか、団子のような爆弾が生産されますので注意!
さらにアクティビティ後、教室をそういう凶器が飛びかいますので…