授業参観記②

続いていきましょう。


その前に、
学び合いは子どもたちだったら誰でもできますという意味です。
教材解釈は、もう「算数」ではしません、ということと、
「もう」しなくてもいいかなぁということです。



二人目は、たくやです。

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1時間目 総合
フェイスブックやゲーム祭りで「価値創造型」という話を聞けたので、
それがこの授業なんだなと思いました。
まず、男女のグループの対話が止まらないことにびっくりしました。
常に誰かが話をしていて、
でも考える沈黙もあるなど温かい雰囲気の中で子供たちはテーマについての話を深めていました。
「携帯電話」や「電車」など、
自分たちの身近なものだからこそこれからの技術について考える必要性が出てくるんだと思いました。
保護者も参加できるということで、保護者も慣れている感じを受けました。
保護者に問いをかける子供もいて正直びっくりしました。
保護者も考えないといけない空気に自然となっていました。


ここからは質問です。
・今回のグループはどのように決めたのですか。次はどんなグループにするのですか。
・今回のWOで深めたことを1人で探究する流れになると聞きましたが、具体的にゴールまでどうなっていくのですか。
・それぞれのグループに3つぐらいのテーマがあったのですが、3つのテーマはそれぞれどのように決めたのですか。



2時間目 算数
1回目の参観の時も算数があったと思います。
その時より今回は、KAIさんのアプローチがかなりあったと思いました。
よく「先生分かりません」と言う女の子がいましたが、
すぐにKAIさんは傍によって声をかけていました。
ミニレッスンをするときには、少しざわざわだったのが、
だんだんと落ち着きが出てきて、一気に自分の課題に取り組む子がほとんどでした。
環境を整えてあげるだけであんなに自分たちでできる、
そしてより高い目標をクラス全体で共有していると感じました。


ここからは質問です。
・あの緑の評価シートはどのように作られたのですか。また、算数編と書かれていたので他の教科でも似たようなものがあるのですか。
・先生チェックの時ノートを見て、プリントを渡していたと思います。ノートの何を見ていたのか、プリントは何か基準があるのか知りたいです。
・特に席を移動することはなく、人の移動もほとんどありませんでした。学習形態は初めから同じだったのですか。
・隣のクラスを見ると一斉授業でした。算数は3分割だと思いますが、どうやって隣のクラスや算数専科の先生と折り合いをつけていますか。



3時間目 道徳
今回もモラルジレンマの授業を見ることができました。
(前回は日本と韓国の食事のマナーについてのモラルジレンマだったと思います。)
授業の流れもだいたい同じで子供たちで討論していくものでした。
やはり今回のテーマも自分たちのクラスに起こる可能性のあるもので、
自分たちのクラスに同じようなことが起こったらどうするのかを最後に書いていました。
「3人は同じチームにしない」のグループにいた男の子が、
すごく自分の気持ちを伝えているのが分かりました。
「3人は同じチームでいい」のグループの方が人数が多い中であれだけたくさん発言できるのは、
それだけクラス全体がみんなの意見を尊重しているからだと思いました。


ここからは質問です。
・自分がモラルジレンマの授業をするときに、「モラルジレンマは、2つに分かれて討論して、正解がないから中途半端な感じになるよね」と他の先生に言われたことがあります。まだモラルジレンマの知識がないので何も言えませんでした。KAIさんは、モラルジレンマの何に価値を置いているのですか。
・道徳は全部モラルジレンマでやっているのですか。それとも他の教材やPAも使ってやるときもあるのですか。
・今回はどうして「決まり」というテーマのモラルジレンマにしたのですか。何か意図があったのなら教えてください。



授業以外の質問
・ふりかえりジャーナルは、どのタイミングで書かせていつコメントを書いていますか。
・授業規律についてです。自分の学校は規律について少し厳しい感じを受けます。生活指導主任が専科をしているので、クラスによって規律がバラバラであると学校評価で出されていました。専科の先生に迷惑をかけないために授業規律をしっかりすることは分かりますが、KAIさんは、授業規律についてどのように考えていますか。
・ノート作りのことです。算数の時間に子供たちのノートを見ると、それぞれ自由に書いていました。これも自分の学校では学年で揃え、次の学年につなげるためにしっかりノート作りをしてくださいとなっています。自分は、自分がまとめやすいノートでいいと思いますがなかなか難しいところがあります。ノートについて何かKAIさんなりに考えがあればお聞きしたいです。



たくさんの質問があったので次回お会いできたときに質問したいと思います。また来年も参観したいと思います。ありがとうございました。

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以上です。
質問いっぱいです😄
少しずつ答えていきます。


①「今回のグループはどのように決めたのですか。次はどんなグループにするのですか。」
前回のサークル対話の時は、同じカテゴリーの探究テーマでグループを作りました。
「映像技術」とか「モータリゼーション」とかのグループです。
今回は、同じグループには、同じカテゴリーの人はいないように分けました。
なので、探究しているものはバラバラのグループです。
多様な意見が出るかなと思ったからです。
WOは今回は個別の問い立てなので、個人で探究しています。


②「今回のWOで深めたことを1人で探究する流れになると聞きましたが、具体的にゴールまでどうなっていくのですか」
ゴールは発表です。
発表形式は自由です。
パワポが多いです。
その他、スピーチする子や、フリップカードでやる子や、紙芝居にする子や様々です。
が、自分の中で、だんだんと「TED」みたいなものを要求しているところがあります。
よくないですねー😔
発表時は、保護者参観OKです。
イエナプランの「催し」のような感じしたいんですが、
参観してくれる保護者は毎回数人です。



③「それぞれのグループに3つぐらいのテーマがあったのですが、3つのテーマはそれぞれどのように決めたのですか」
あれは、全体の問いです。
2学期の最初に、領域を決めた後にみんなで問いを出し合いました。
それをまとめたのがあの3つです。
この問いに回答するために、個別の問いをたてました。
これは、ろうかの窓ガラスにはってあります。
その問いに対する回答を得るために、具体的に何を調べればいいか一人一人が考えています。



④「あの緑の評価シートはどのように作られたのですか。また、算数編と書かれていたので他の教科でも似たようなものがあるのですか」
あの自己評価シートは、
教科書の指導書の小単元をさらに子どもの思考過程を私なりに予想して改良した小単元シラバスです。
単元事に作っています。
5年ほど前から作り始めました。
毎単元ごとに改良に改良を重ねています。
最初は国語の言語事項の領域でも作っていたので、算数編と国語編がありました。
今は算数しかやっていません。



⑤「先生チェックの時ノートを見て、プリントを渡していたと思います。ノートの何を見ていたのか、プリントは何か基準があるのか知りたいです」
さちさんのところにも書きましたが、ノートに教科書の問題がやってあるか、
ちゃんと重要事項をまとめてあるかを見ています。
答えが合っているかは見ていません。
プリントは、小単元シラバスの中で、ほんとにほんとの基礎的な部分の問題です。
業者さんの印刷OKのプリント教材の中から最適なものを選んでいます。


⑥「特に席を移動することはなく、人の移動もほとんどありませんでした。学習形態は初めから同じだったのですか」
ねえ、移動しないですよね。
そんなクラスです。
近くの人と学び合っています。
席はどこに座ってもいいことにしていますので、
授業が始まる時に席は移動しています。
でも、基本的にそんなにこだわりのない子たちです。
学習形態は、最初からこのカタチです。
単元丸ごと子どもたちに渡したのは3学期になってからです。
それまでは、1時間ごとにゴールを示し、自分たちでやってました。


⑦「隣のクラスを見ると一斉授業でした。算数は3分割だと思いますが、どうやって隣のクラスや算数専科の先生と折り合いをつけていますか」
さちさんへの回答をご覧ください。


⑧「自分がモラルジレンマの授業をするときに、「モラルジレンマは、2つに分かれて討論して、正解がないから中途半端な感じになるよね」と他の先生に言われたことがあります。まだモラルジレンマの知識がないので何も言えませんでした。KAIさんは、モラルジレンマの何に価値を置いているのですか」
その先生もよく分かってないから心配しなくても大丈夫。(笑)
両方のモラルとも正解なんですから、そこに対立構造をもってきても意味ないです。
それぞれのモラルを選択した、価値基準が問題だと思っています。
他律的な判断から、自律的な判断へ。
外的コントロールから内的コントロールへ。
こんなステップアップしていくといいのかなと思います。
この教材でいくと、
「先生に怒られるから」とか「みんなに嫌われるから」とか「健一たちに悪いから」とか「この女子(委員長)がキライだから」「負けるのがいやだから」とか「やりたくなくなる」とか、「好悪(好き嫌い)」「損得」などのわがままな判断基準。かなり直感的で感情的。あまり考えてない。内的でも外的でもない。これが最初の段階。感情的な判断基準。
次の段階が、「きまりだから」とか「決まったことだから」とか「ルール違反だから」とか「全員が楽しめるということが目標なんだから」とか、「規律」「ルール」「目標」など外的な判断基準。けっこう感情が切り捨てられる感じ。道具的な判断基準。
最終段階は、道徳的な判断基準。自分の良心に基づいて判断している姿が見えればいいと思う。

上位概念は下位概念を超越する。すなわち、「委員長はキライだし、ルールも分かる。でも、やっぱり私はみんなが楽しめる方法でチーム分けがしたい」「負けるのも嫌だし、全員が楽しめることが目標なのも分かるけど、健一君たちの気持ちを考えると、ここはこのままチームを決めたほうがいいと思う」とかね。自分の内的なものにコントロールされて下される判断。


さてこれは、私の「関心」によって考えられたモデルなので、これまた人それぞれだと思います。
たくやも考えてみてください。



⑧「道徳は全部モラルジレンマでやっているのですか。それとも他の教材やPAも使ってやるときもあるのですか」
モラルジレンマは時々です。
ふだんはほぼPAです。



⑨「今回はどうして「決まり」というテーマのモラルジレンマにしたのですか。何か意図があったのなら教えてください」
特に意図はありません。
いろいろな教材やってみて、これは意見が出やすい教材だったからです(授業参観にはベスト)
しかも。このシチュエーション、「よくある話」でしょ。



⑩「ふりかえりジャーナルは、どのタイミングで書かせていつコメントを書いていますか」
PAをやるときはいつも書いています。
あとは大きな行事や印象的な事件(良いも悪いも)が起こったときです。
毎日は書いてません。
4月から使い始めて、まだ1冊終わってませんから。
3学期は1回書いただけです。
PAをやるときはコメントは書きません。(それ以外は書きます)
教師の過剰な判断を避けるためです。



⑪「授業規律についてです。自分の学校は規律について少し厳しい感じを受けます。生活指導主任が専科をしているので、クラスによって規律がバラバラであると学校評価で出されていました。専科の先生に迷惑をかけないために授業規律をしっかりすることは分かりますが、KAIさんは、授業規律についてどのように考えていますか」
その専科教科、教室、その先生で作ればいいと思います。
それ、普通じゃないですか?
そろえることって無理じゃないですか?
私はやりにくいです。
子どももやりにくいんじゃないかなぁ。
そもそも最初っからたくやの学校には「規律」があるのですか?
だれもそれについて考えることさえ許されない「規律」ってものがあるのですか?
「授業規律をしっかりする」と書いてあるということは、あるんだね。
暗黙の何かが。。。
逆に、問い直すいい機会かもね。
がんばれ〜


⑫「ノート作りのことです。算数の時間に子供たちのノートを見ると、それぞれ自由に書いていました。これも自分の学校では学年で揃え、次の学年につなげるためにしっかりノート作りをしてくださいとなっています。自分は、自分がまとめやすいノートでいいと思いますがなかなか難しいところがあります。ノートについて何かKAIさんなりに考えがあればお聞きしたいです」
ノートは私はかなり要求が高いと思います。
テストと同等の評価比重です。
いいテキストがあるので、別便で送ります。
算数は少人数編成で、毎単元子ども入れ変わるし、
違うクラスの子もいるし、ちょっと適当ですが、
社会は互いにノートを見せ合いながら高め合っています。
でも、書き方は子どもたちに任せています。
ほとんど板書しない授業なので。
やっぱり、楽しむことが大事かなぁ。
あと、書き終わった後に、満足感が生まれれば…。
そんなノートは見返したくなりますもんね。



以上です。
また遊びに来てくださいね〜😄