夏休みの読書2(改)

山中恒さんですが、
この文庫はちょっと趣を異にします。
シリーズもの(「五人泣きばやし」という名で5冊)です。
室町から江戸時代あたりの農村が背景ですが、
昔話にあるような平和な村ではなく、
そうなると当然善人の村人たちが登場するわけでなく、
虐げられた人々、私利私欲にまみれた人々、差別化することで安心する人々(要するに村八分)とか、
かなりエゴスティックな人々の相関図が描かれています。
とってもリアリティにあふれていて、とってもコワイです。
人間のおぞましい部分をかなり描き出しています。


主人公はいたって平和な人間で、
でも社会的に蔑まされている人間です。
そして、この主人公が最後には報われて、
そして、周りの村人たちも改心して、
めでたくハッピーエンド!
って普通はなりますが…


誰一人改心することなく、
ネタばれですが主人公も死んでしまいます。
この本の中には善人が主人公のお母さんただ一人しか出てきません。
それだけでもかなり衝撃的な本です。



なぜこの本を読もうと思ったかというと、
この秋うちは学習発表会(学芸会)で、
その台本をオリジナルで作ってみようかな〜と思っているわけです。
残りのシリーズも2作購入済みなので読んでみます。

今(11時)読み終わりました。
これはまた違った趣でおもしろかったです。
いい人は相変わらずあまりでてきません。
今度は主人公がかなり痛快です。
でもこれでもかっ!!っていうくらいいじめられてどん底に不幸です。

次はこれです。
今読み終わりました。(31日朝)
だんだんと主人公が立派になっていく…
一番痛快でした。


amazonで検索してレビューを見ようと思ったんですが、
残念ながらレビューはありませんでした。
しかし・・・
中古本が2000円以上と異常に高価なのにびっくりしました。
それと、「五人泣きばやし」となってますが、
もとは「三人泣きばやし」として1冊で出版されたみたいです。
でも5人に増えたって事は、もしかしたら5冊シリーズなのかもしれません。