作家の時間作品集「もぐらのさんぽ」巻頭言集

作家の時間の作品は、うちのクラスでは文集にして出版しています。
今のクラスは5年の時から取り組んでいるので、
もうすでに第16集まで出版することができました。
このままいくと、ひと月に一冊は出版していることになるでしょう。
まあ、それだけ次から次へと作品ができてくるわけです。



文集製本作業はけっこうつらいと思っている方が多いかもしれませんが、
この出版には、からくりがあって、
全員の作品が毎回そろっているわけではありません。
自分のペースで書き進めているので、
一回一回の締め切りに間に合わない子も出てきます。
でも、あえてせかしたり残したり宿題にしたりなんかはしないのです。
子供たちも、「今回はどうする?」「いや、おれ今回はパス」「次に出す」とか話しながら自分のペースを守りながら計画的に出版をしています。
ただ淡々とひと月半くらいごとに締め切りが来て、出す子は出し、出さない子は出さないまま先生により印刷され、子供たちの手で製本され、出版されます。
余計なエネルギーが先生にも子供にもかからない。
淡々とね。
これがコツ。




毎回の出版の際に、最初のページに載せてある巻頭言を、
ここでまとめてみたいと思います。





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「もぐらのさんぽ」 第一集発刊に寄せて           

 四月からはじまった「作家の時間」、みなさん楽しく書いていますか? 「作家の時間」の大きな特ちょうは、


①書きたいことを書きたいように書く。
②友だちと読み合い、教え合いができる。
③たくさんの読者がいる。
④本物の作家のようにして作品を仕上げる。


です。「書くこと」という学習は、「聞くこと」や「読むこと」や「話すこと」と同じ学習だと先生は思っています。「聞くこと」「読むこと」「話すこと」の学習は、たぶんひとりではやっていないはずです。クラスのみんなと交流しながら活動していく中で、おたがいに高め合っていったと思います。人間、話せるようになるためには、かならず「相手」がいたはずです。聞けるようになるためにも、読めるようになるたねにも・・・。書けるようになるためにもぜったい「相手」がいたほうがいいはずなんです。書くときにいっしょになって考えてくれる人、アドバイスをくれる人、書いた作品を読んでくれる人、ほめてくれる人・・・いろんな人とかかわりあって、いい作品が生まれるし、いい作品を仕上げる「コツ」がわかってきます。
 さて、みなさんが、四月から取り組んできた「作家の時間」の「本」が、ここに完成しました。なかなか清書まで行き着かなくて、全員がしめ切りにはまにあわなかったけど、自分のペースで書いていけるところも「作家の時間」のいいところです。最初のうちは、「書くって、こんなに楽しいんだ!」って思っていたかもしれないけど、ひとつの作品に仕上げるためには、やっぱりそれなりの努力が必要なんだね。ひとつの作品が生まれるまでには、いろんな道すじをへてきます。できあがった作品はその人にとっては宝物のようなものです。その宝物をみなさんはしっかり受けとめて、読んでみてくださいね。そこからまた学ぶこともあると思います。その人をあらためて知ることにもなります。その作品を、その作者を愛してあげてください。


  保護者の方へ

 5月から国語の「書くこと」の領域のカリキュラムを少しいじって(でも、学習指導要領の「書くこと」の項目はすべて網羅しています。そして、このプログラムには、「読むこと」「聞くこと・話すこと」「言語事項」の領域まで網羅しています)、「作家の時間」として学習をすすめてきました。そもそもは「ライティング・ワークショップ」という、欧米の教育現場で行われているライティングの学習プログラムです。日本のこれまでのライティング(日本式に言うと「作文」かな)の授業とは、かなり違ったアプローチで、子どもたちの「書くこと」のスキルと意欲を伸ばすプログラムになっています。この手法は必ずや子どもたちに歓迎されるだろうという確信があります。実際、これまでの作文の授業方法は、子どもたちに歓迎されていなかったのは確かですし、逆に「作文嫌い」をつくっていた部分が多々あるかと思います。やっている自分が、この授業おもしろくないという思いでやっていましたから・・・。  
 これから一年間、子どもたちが少しでも「作文って楽しい!」「もっと書きたい!」と思ってくれるようにがんばっていきたいと思います。「作家の時間」へのご理解、よろしくお願いします。





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「もぐらのさんぽ」 第二集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第二集が出版されました。みんなの力作を楽しんでください。すでにシリーズ化している作品もあって、ますます目がはなせない展開ですね。これから先が楽しみです。夏休みに作家のノートに書きためたネタをさっそく修正してみましょう。そして勢いよく清書して、出版してみましょう。次回の締め切りは、9月19日です。一・二集に間に合わなかった人たちの作品も待っています。ファンタジー物語に人気があるようですが、自分の身の回りのことを題材にした生活文や、現実味のある物語もそろそろ書けるようになると思います。そっちも期待していますね。


  保護者の方へ
 「作家の時間」に取り組んで早3ヶ月あまり。書く意欲は日に日に伸張しています。さらにそれを伸ばすためにも、ファンレターへの協力をよろしくお願いします。読者が多様で多数なほど、作家のモチベーションは上がっていくのです。
 「書くこと」は実に密接に「読むこと」とつながっています。「読書の時間」と「作家の時間」が両輪となって、子供たちの国語力を育成していくものと確信しています。よろしくご理解の程、お願いいたします。




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「もぐらのさんぽ」 第三集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第三集が出版されました。今回は、チャレンジ・クエストin清里の「ふり返りレポート」というジャンルで、みんな同じテーマで書いています。日ごろ、ふり返りジャーナルに書くのと同じ観点で、チャレ清をふり返り、それをいつもは図式化したり、かじょう書きにしたり、項目立てて書いているところを、ふつうの文体で、作文してもらいました。ですから、よくある「思い出作文」とは内容がちがっているはずです。
ふり返りのポイントは、チャレ清の目標である、


「あらゆる問題に、自分で考え、自分で判断し、自分で行動を決定する」
「グループに対して、自分の役割を果たし、グループの判断や行動に責任をもつ」


の2つです。これに対して、自分はどう行動したか、そこで何に気付いたか、それってどういうこと何だろう? それを次に生かせるとしたら何? という形でふり返っています。
 ふり返りなので、これは読者を意識して書いてはいませんよね。「じゃあ、何で出版すんのよ!」っていう声が聞こえてきそうですね。でもこれは、一応、総合の授業なので、ここでの学びを、みんなで共有したほうがいいと思ったからです。同じことをやっていても、「あー、この人はこんなふうに考えたんだぁ」とか、「へー、そういうふうな考え方もあるんだぁ」とか、いろんな人のいろんな気付きをみんなで共有できたら、ますます自分の学びも深まるはずです。ですから、よーく友だち(特に同じグループだった人)のレポートを読んでみてください。そしてできたら、感じたことをその人と、もう一度おしゃべりしてみるといいと思います。




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「もぐらのさんぽ」 第四集発刊寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第四集が出版されました。今回は、「作家の時間」で取り組んできた作品の3回目の出版ということになります。ようやく生活文や詩もいくつか出はじめて、自分の身の回りの生活に注目した作品もいくつか出てきました。物語のほうも、なかなか情景描写や心理描写がするどくなってきましたね。
 今回は、「12歳の文学賞」という小説のコンクールにも何人か応募しています。そちらのほうに出品した人たちの作品は、別の集で出しますね。原稿用紙がちがうので、別にした方が読みやすいと思ったからです。そちらもお楽しみに!




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「もぐらのさんぽ」 第六集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第六集が出版されました。今回は、「12歳の文学賞」という小説のコンクールに応募して作品を集めています。
 この賞は、小学館が主催するもので、全国の小学生(12歳以下ならだれでもいい)が応募しています。まだはじまって今回が3回目です。読書家の部屋に、過去の受賞作が集められた本がありますが、それをみればかなりの高レベルの作品が並んでいます。まだ読んでみていない人たちは、ぜひ読んでみて、自分の作家活動の参考にしてみてください。
 6月の終りに、この賞のことをみんなに知らせ、それに向けて取り組んできた人たちが7人いました。本物の作家みたいに、締め切り寸前の夜中までえんぴつを動かしていた人もいましたね。おつかれさま。がんばったね。結果にかかわらず、このチャレンジは宝物になると思います。今回出せなかったみなさんも、ひとつ目標を決めて、取り組んでみることは、必ず自分に自信をもたらしてくれます。結果ではなく、その過程で得るものがあると思いますよ。今度こういう機会があったら、ぜひチャレンジしてみてください。




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「もぐらのさんぽ」 第七集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第七集が出版されました。今回は、通常の「作家の時間」の作品集です。いつもは一つ二つある、生活文が、今回は一つも出てきませんでした。変わりに、多数の詩が集まりました。一度書き出すと止まらないのが詩で、三人の人が連作で出版しています。詩の世界を楽しんでみてください。
 連載(れんさい)中の作品に合わせて、新作もまたいくつか発表されました。ファンレターが作家の書く意欲を引っ張り出してくれます。どんな小さなことでもいいので、心に残ったことをファンレターにたくして、送ってあげてください。保護者の方々にも、よろしくご協力のほどお願いいたします。



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「もぐらのさんぽ」 第八集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第八集が出版されました。2008年最後の出版ということで、たくさんの人が出版してくれました。生活文は相変わらず少ないですが、素晴らしい物語がたくさん集まりました。みんなの熱い意気込みが伝わってくる作品ばかりです。
 ファンレターが作家の書く意欲を引っ張り出してくれます。どんな小さなことでもいいので、心に残ったことをファンレターにたくして、送ってあげてください。保護者の方々にも、よろしくご協力のほどお願いいたします。




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「もぐらのさんぽ」 第九集発刊に寄せて          


 『もぐらのさんぽ』第九集が出版されました。2009年最初の出版ということになります。今回は、十二月に詩作りという、ジャンルを固定しての作家の時間もありましたので、その作品がたくさん出版されています。自分の身の回りの生活をするどく切り取った作品が生まれました。これも一つの生活文です。短い文だからかんたんかというと、それは逆にむずかしい・・・。でも、見えたことや聞こえたことを、くわしく描写することでいい文が生まれます。ようするに、情景描写をくわしくすることで、心理描写がするどくなるのです。うれしい、楽しい、悲しい・・・それを言葉でなく、そのときの情景を表すことで伝えることができるのです。この作家の技は、詩だけじゃなく、生活文や物語、小説でも使えます。これからどんどんみがきをかけていってください。


 保護者の方へ・・・残念ながらファンレターがとても少ないです。すみませんがおうちの人への宿題という形にしてもよろしいでしょうか? ご協力よろしくお願いいたします。




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「もぐらのさんぽ」 第十集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第十集が出版されました。5年生最後の出版ということになります。今回は、5年生最後ということで、今の自分を見つめた生活文を全員固定のジャンルとして出版してもらいました。ポイントは、


○自分を見つめる。
○自分と向かい合う。
○自分の身の回りのものに注目する。
○今の自分の生き方や考え方や価値観を書く。


 今まで物語ばかり書いてきた人も、ここで生活文を書いてもらいました。でも、書いてみて気付いたと思います。生活文も物語も、変わらないんです。逆に、物語を書いたことが、生活文に生かされているはずです。たぶん、5年3組の生活文は、他のクラスの生活文とは、なんとなくふんい気がちがうはずです。そこのところを味わってみてください。


 保護者の方へ・・・一年間、「作家の時間」へのご理解、ファンレターのご協力、ありがとうございました。子供たちの書く力はこの一年間でかなりの上達を見せたはずです。何より、書くことが大好きになってくれたことが一番の成長だと思います。今後とも、11歳の小さな作家さんたちの、一番のファンでいてください。よろしくお願いします。



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「もぐらのさんぽ」 第十一集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第十一集が出版されました。2009年度、六年生最初の出版ということになります。題名の「もぐらのさんぽ」ですが、クラス替えもなく、メンバーも先生もこのままなので、継続して使います。ですので、号数も継続して十一集ということになります。「作家の時間」は六年生になっても、変わらず週二時間行っていきます。年間約七十五時間、みっちりと「書くこと」についてみんなで学んでいきます。目的をもう一度確認しておきましょう。
 「作家の時間」の目的は、


「良き書き手、すぐれた書き手になること」


です。決して「良い作品」を残すことではありません。だから先生の赤ペンも、「やり直し!」の声もありません。先生は、みんなと作品について語り合える存在でありたいと思います。でも、「ミニ・レッスン」ではちゃんと大事な事は教えます。そして、教えてくれるのは先生だけではないのはみんな知ってるよね。そう、みんなのクラスメイトです。アドバイスして教えてくれるだけでなく、ほめてくれたり、はげましてくれたり、勇気づけてくれたり…とっても大事な学びの仲間になります。みんなで良き書き手になるために、学び合っていこうね。


保護者の方へ
 今年度も、「作家の時間」を継続して、国語科のカリキュラムの中に取り入れていきます。「作家の時間」は、「書くこと」だけでなく、「読むこと」「聞くこと・話すこと」の領域まで含まれる、総合的な学習です。教科書は使いませんが、学習指導要領の項目よりはるかに多くのことを押さえることができます。教科書にのっている教材の作文は、日本のどこかの小学生の作文です。その作文を使うより、自分のクラスメイトの作文から学んだ方がはるかに効果的であるのは明白です。本年度も、「作家の時間」に、よろしくご協力のほどお願いいたします。ファンレターもお待ちしています。



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「もぐらのさんぽ」 第十二集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第十二集が出版されました。2009年度、六年生で二回目の出版です。今回はかなりの量の原稿が集まりました。どれも力作ぞろいです。ぜひお楽しみ下さい。
 比率的に、物語が多いですが、自分の思いや考えをつづった文は、別原稿のチャレンジクエストin日光の振り返りの文を読んでみてください。次号、夏休み後の出版になります。物語が自分の思いや考えを表さないということではなく、いや、逆にこちらの方がその意味合いが多いのではないかと思っています。主人公に代弁させたり、ストーリーにしっかりとしたテーマを感じさせたりと、物語の中に自分の思いや考え、はたまた価値観、生き方までくっきりと表わされた作品が多いです。そこの部分もしっかりと読みとってみましょう。


 保護者の方へ…今回も、小さな作家さんたちへのファンレターをお待ちしています。夏休みが間に入りますので、じっくりと読んでいただき、激賞のファンレターをお書き下さいませ。よろしくお願いいたします。



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「もぐらのさんぽ」 第十三集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第十三集が出版されました。2009年度、六年生で三回目の出版です。今回は、二つの文学賞に応募する人たちもいて、こちらの通常の出版には、それ以外の作品を掲載します。文学賞に応募した作品は、次の第十四集にまとめて出版します。
 前号でお知らせした、「チャレンジクエストin日光」の振り返り集は、クラスでの出版ではなく、学年で出版するという形になりました。各クラス、パソコンにて入力し、写真付きの素敵な新聞になって全員分出版されますのでお楽しみに。秋休み後の発刊になります。


 保護者の方へ…今回も、小さな作家さんたちへのファンレターをお待ちしています。秋休みが間に入りますので、じっくりと読んでいただき、激賞のファンレターをお書き下さいませ。よろしくお願いいたします。子供たちにも、この休み期間中にファンレターを書く宿題を出しますので、ぜひご一緒に読んで下さり、作品について語り合ってほしいなと思います。




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「もぐらのさんぽ」 第十四集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第十四集が出版されました。この号は、十二歳の文学賞(主催 小学館)の応募作品を掲載しています。昨年度は、7人の人が応募し、その中の数人は三次選考まで残りました。あと一歩のところで本選は逃しましたが、どれも力作ぞろいで、6年生での応募が楽しみでした。
 今回は、「小説部門」に10人の人が応募してくれました。また、同時に募集していた「はがき部門」にも、8人の人が応募してくれました。総勢17人の作家たちが応募しています。
 今回もどれも力作ぞろいです。この作品をまずはクラスで出版して読み合いましょう。


 保護者の方へ…小さな作家さんたちにもファンレターをお待ちしています。じっくりと読んでいただき、激賞のファンレターを子供と一緒にお書き下さいませ。よろしくお願いいたします。




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「もぐらのさんぽ」 第十五集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第十五集が出版されました。今号は、『「平和」や「戦争」について考える』と題して、意見文集という形をとっています。作家の時間と、読書家の時間のコラボレーションの授業でしたね。意見文を書くにあたって、まずは教科書の「平和のとりでを築く」の文を読み、当然それだけでは足りないので、平和に関する本を、図書室からごそっと持ってきて、それを読みつくしました。読んだらまずは事実と意見をしっかりと区別し、3行で書きとめていきました。何冊か読んだところで、作家の時間となり、事実と自分の意見を作家のノートに下書きし、あとはいつもの作家の時間と同じようにして進めてきました。
 さてさて、みんなの平和に関する考えが、ここにはいろいろと出ています。「戦争」という事実をしっかりと受け止め、自分なりの意見を述べています。戦争や悲しい事実も様々ですが、人の意見も様々です。教科書の一文だけを読んで、みんなで解釈しても得られないものです。
 先生の平和に関する意見です。「戦争反対」と叫ぶことは簡単です。でも実際にそれを行動に移すということはとても難しいです。今、世界のどこかで、違う国同士、違う民族同士、違う宗教同士で争いが起こっているのです。それらに対して私達はあまりに無力です。みんなが子供だから何もできないのでしょうか。私達にできることは?
 先生はいつも考えています。私達にできることは、「となりの人と仲良くなること」だと思います。となりになった人と、平和的・友好的な関係を結べない人が、「世界平和」なんて実現できるわけがありません。さらには、クラスをいごこちのいい平和な空間にすることです。それができない人に、「平和な世界」は築けません。争いの原因は、たいていは、「差別」「ゆがんだ優劣感情」です。これらを、身近な人間関係でぬぐいさり、まずはとなりの人と、平和的・友好的関係を結ぶ方法を私達は学んでいかなければいけないと思っています。それが「平和」への確かな道筋だと先生は思うのです。



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「もぐらのさんぽ」 第十六集発刊に寄せて           


 『もぐらのさんぽ』第十六集が出版されました。2009年最後の出版になります。今回もバラエティ豊かな作品がそろっています。じっくりと読んで、味わってみてください。
 この一年間をふり返って、自分の書く力はどう成長しましたか? 週2時間の作家の時間で、みんなの書く力は、飛躍的に伸びたんではないでしょうか。それにプラスして、実は3組は、他のクラスに比べて、異常なほどに「書くこと」をやっています。読書家の時間はもとより、社会のノート、理科のノート、振り返りジャーナル、読書家ジャーナル、ファンレター、いろんなときに使うふせん等々…いっぱいいっぱい書いていますね。そして、それらのノートには共通していることがあります。それが3組の「書くこと」の特徴だと思います。わかりますか? 
 ふつう、学校で使うノートって、先生が黒板に書いたものを「写す」ものがほとんどです。でも、3組のノートって、作家にしても、読書家にしても、社会にしても、なんにしても、全部自分が好きなように書いています。「自分だけのオリジナル」のノートです。「書きたいことを書きたいように」「必要なことを自分で考えて選び」「自分なりの方法で書きまとめる」ことをしています。ここが先生は「書く力」を身につけるポイントだと思っています。「書かされる」より時間はかかりますが、確実に、「書く力」がつきます。そして、すばらしい「書き手」に成長していけるものと先生は考えています。(もう一つの特徴は、それらをみんなで見合うこと。これも3組の特徴)


 保護者の方へ…子供たちは、学校生活の中で、いろんな場面で「書くこと」をやっています。ほんとに小さなことの積み重ねですが、日々のこの積み重ねが、これからの彼らの将来に大きな糧となることと思っています。小さな作家さんたちに、ファンレターをお待ちしています。じっくりと読んでいただき、激賞のファンレターを子供と一緒にお書き下さいませ。よろしくお願いいたします。




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途中5号が抜けていますが巻頭言は無しです。
夏休みの「チャレンジ5」という取り組みの振り返り集です。