最後の出版 〜巻頭言〜

「作家の時間」最後の出版の巻頭言です。
第十七集になります。
子供たちの作品にもう出会えないのは寂しいですが、
また彼らはどこかで書くことを楽しみながら人生を送ることでしょう。



「書く」って楽しいって子供は思ってますか?



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「もぐらのさんぽ」 第十七集発刊に寄せて



『もぐらのさんぽ』第十七集が出版されました。2009年度最後の出版になります。


 5年生から「作家の時間」に取り組み始めて早二年、文集「もぐらのさんぽ」による出版は、全十七回を数えることになりました。この号で最終刊となります。小さな作家のみなさん、長いあいだおつかれさまでした。自分は何作出版しましたか? 多い人は10作以上あるでしょうね。ダントツでゆぎかな? 数の多さはともかく、ここに出版された作品は、どれも素晴しい作品だと先生は思います。ここに出版された作品は、どれも「自分で書いた」からですね。「書かされた」ものは一つもない。だから先生はそう思うのです。先生が教えたのは、作家の仕事の流れや、作家の技をほんのちょっと。先生が教えたことを使うか使わないかはみんなにまかされていましたね。書く題材も、書き方(ジャンある)も、書く内容もすべて自分で決めました。みんな自立した書き手になっていたね。そういう自立した書き手になっていたからこそ、そういうもの同士の作品に対する語らいは、どれも前向きで、真剣で、楽しかったよね。自分だけじゃなくて、友達もみんな自分の作品にかかわっているのが作家の時間の大きな特徴でした。だから出版された作品は、人の作品でも大事にできるし、完成をうれしく思えるのです。ファンレターもいっぱいもらえたね。最初から最後まで、一人じゃないんだもの。



 「書くって楽しい!」って思えることが、これからのみんなの人生をめちゃんこ楽しいものしてくれます。これを苦痛に感じて小学校を卒業するのとでは大きな違いです。書くって楽しい! 人に読んでもらえるのって楽しい! 友達と一緒に書くのって楽しい! みんなのまわりには、いっぱいの書くことに関する「楽しさ」があるよね。それをいつまでもずーっと感じていてほしいなと先生は思います。3組から本物の作家が出てきてほしいな、とは先生はぜんぜん思いません。それよりも、日々自分や、自分の身の周りのことに目を向けて、それについて何かしらちょこっとでも「書く」ことを楽しめるような人生を送ってほしいなと思っています。


 「作家の時間」卒業おめでとう。


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以上です。



以前の巻頭言はこちらから↓↓↓

http://d.hatena.ne.jp/kaisaki37/20091230/1262109286