学級目標設定

学級目標設定しはじめました。
学級が開いた4月ではなく、
なぜこの時期なのかというと…




4月にやっちゃうと、
どうしたってお行儀のいい道徳の授業みたいな言葉しか出てこない。
ここにどんな人がいて、何ができそうかなんていううことは、
しばらく一緒に「やってみて」からじゃないとわからない。
体験が先。




自分たちのクラスやそのメンバーのことがなんとなくわかっていること、
自分のクラスでの位置と役割がなんとなくわかっていること、
いくつかの課題解決の場が与えられ、試行錯誤、対立、葛藤の場面が起きていること、
成功体験を積んでいて、みんなで一緒に何かやるっていうことは楽しくって価値あるものだとわかっていること、
同じように失敗体験も積んでいて、みんなで一緒に何かやるってことは、つらくって難しいものだとわかっていること、




でも、このメンバーでなんかやりたい!!!




って思えていること。




そういう状況での目標設定です。
4月から2ヶ月間、PA(プロジェクト・アドベンチャー)の取り組みを続けてきました。
その手法を使っての目標設定です。



フルバリューコントラクト(自分も含めて、メンバーの存在を最大限に尊重すること)は私のほうから示してあるものが「約束」として5つあります。
これが2ヶ月間の間の唯一の彼らの規範でした。
これから自分たちで規範作りをしていきます。
目標(自分たちのめざすべき姿)ですから、拘束力があります。
ここに向かってこれから彼らの長い旅が始まります。





目標設定までの流れです。
個から全体へ収束していく感じが分かるでしょうか。
実はこの前にもう一つ取り組みがあります。
ソロに入る前に「拡散」の過程が必要です。
出すだけ出す!!
目標に関してのワールドカフェです。



問いはズバリ!


「5年1組は3月25日にどうなっていたいか?」



です。



ワールドカフェに2時間。
合計6ラウンド。
たっぷり思いを語ってもらい、共有してもらいました。









次がソロ。



この時間が私は好きです。
一人、黙々と真剣に静寂の中で時間が過ぎていきます。
自分としっかりと向き合う時間…。
これは20分くらい。
一人一枚原稿用紙に目標とその理由を書いてもらいました。
そしてこれは作家の時間と同じように、
出版して1冊の本にまとめました。
それを全員で読み合い、共有します。
ここで39の素案が生まれます。



次にペア。

二人で自分の思いを語らいます。
まだまとめません。
ペアを変えて計4回。
出版された個人の案を読むのとこれで計1時間。




次に4人組。


ここではじめて「収束」へと作業が進みます。
一人一人の思いを4人で一つにします。
文法的にも長さ的にもむちゃくちゃでいいから、
とにかく4人の思いを一つの文につめこみます。
できたのがこれ。



これで九つに収束しました。



次にこの9つの文の中から共通したキーワードをみんなで拾い上げます。



キーワードが4つ出てきました。
これで4つに収束。
しかしこれはまだキーワードなので文にはなっていません。
これを39人で文にするのは大変なので、
ボランティアを募って数人で明文化する作業をやってもらいます。
ワールドカフェの紙と、個人の目標の文集と、9つの文とホワイトボートに首っ引きで文章化していきます。
ここまででまた1時間。



ボランティアに参加してくれたのは6名。
別室でホワイトボードミーティング。
さながら一企業のプロジェクト会議のようです。
参加した子供が一様に、
「おもしろかった〜」
と声を上げていました。


これで1時間。
この間、他の子供たちは、教室改善プロジェクトのほうを展開中です。
そちらの報告はまた後日…。



この会議で、4つが3つにさらに収束。
この出来上がった3つの草案を全体の場に出し、
みんなで承認をします。
そしてめでたく…



承認されました。



さて次は、この目標を掲示するための作業です。
これもまた大まかのところはボランティにやってもらいます。
後で全員がかかわれる部分はあるのでここはまたまたプロジェクトチームです。
廊下でまたまたホワイトボードを前に話し合いながら進めていきます。
ホワイトボード、いろいろと便利です。
なかなか使えます。
カインズホームで写真のサイズのが1枚1280円でした)




これでまた1時間。
ここまでこれで7時間です。
すごい作業です。
でもここまでしてできたものだからこそ目標はみんなの宝物になります。




さて、では一体どんな目標になったかというと…
実はまだ作業が一工程残っていて、
それを来週の月曜日に行います。
個人の目標設定をします。
クラスの目標に対する個人の目標設定です。
それでやっと完成です。


お楽しみに!