ブッククラブ

今年度最初のブッククラブです。
持ち上がり6年生の最初は、
ノンフィクションで選書しようといつも決めています。
内容にぐっと迫るためにはノンフィクションが最適です。
「優れた読書家が使う10の方法」のうちの基礎的な部分、
「つながりを見つける」
「質問する」
「イメージする」
「予想する」
の4つは当たり前にできるとふんで、さらに、
「大事な情報を選ぶ」
「情報を組み立てる」
「自分の理解の正しさを認める」
「自分の理解の間違いを正す」
ここらあたりの読み方についてレッスンと体験を深めていきます。
意味を創り出したり、
価値を見つけたり、
自分の生き方、考え方、価値観の創造につなげていきます。



と、すごいことを書きましたが、
選書はとっても初級はものばかりです。
たぶん中学年向けです(笑)
でも、いいのです。
一人沈思黙考して読んで、書いて、
そしてみんなと楽しく語り合えればいいなと思っています。



以下私が選書した本です。

エンデュアランス号大漂流

エンデュアランス号大漂流

不屈の男、シャクルトンと彼の部下たちの話。
リーダーシップ論を唱えた大人向けのビジネス本がたくさん出ていますが、
この本は、短く子ども向けにまとめられた良本です。



白旗の少女 (講談社青い鳥文庫)

白旗の少女 (講談社青い鳥文庫)

沖縄戦の話ですね。
戦後発見された1枚の写真、
そこに写っている白旗を持った一人の少女の壮絶な逃避行の話です。



新版 マヤの一生 (子ども図書館)

新版 マヤの一生 (子ども図書館)

こちらも戦争の話です。
著者椋鳩十の家に飼われていた犬、マヤ。
マヤと息子や他の動物、家族との絆、
そして、戦争の理不尽さを痛切に訴えかけてくる作品です。
犬好きの人はたぶん泣きます。



あのころ (集英社文庫)

あのころ (集英社文庫)

最近私のブッククラブの定番になってしまった本です。
ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんの子どもの頃の話です。
私と同年代なので、非常に共感できるところがあって、
でも、それってけっこう今の子どもたちにも共通することなんだと思っています。



ユウキ―世界で8番目のたたかいに勝った男の物語 (シリーズ・未来へのつばさ)

ユウキ―世界で8番目のたたかいに勝った男の物語 (シリーズ・未来へのつばさ)

これは難病物なんですが、
この手の話によくあるお涙頂戴的なストーリーではないところがいいところです。
「だからあなたもがんばって」的な話でもない。
なんだろ? 読んでみてください。いい本です。
題名の意味が読むにつれだんだんと分かってきます。
24時間テレビでドラマ化されたそうですが、そっちの話は見てもいません(笑)
たぶん、本のがいいと思います(独断!)




秘密の道をぬけて

秘密の道をぬけて

実はこれはノンフィクションではありません。
でも、史実をもとに書かれた良本です。
南北戦争前夜の、逃亡奴隷とそれを追う雇い主の無頼漢たち、
そして、奴隷をかくまい北部へ逃がす秘密結社との行き詰まるストーリー。
その中で、逃亡奴隷の少女と、かくまった家の少女との友情が絡み合います。
この話、好きなんです。(笑)

これを選んだ子たちには一緒にこの本も読んでもらいます。

あなたがもし奴隷だったら…

あなたがもし奴隷だったら…

ジュリアスレスターはいい絵本いっぱいかいてますが、
その中でもこれは一番だと思います(ますます独断 笑)



ノンフィクションを読む時には、
その書かれた事実に対するバックグラウンドナリッジを持っているかがとても重要になります。
戦争の話はなんとなくみんな知っていますが、
はじめてこの本でブッククラブをやったとき、
この奴隷制度の話をよく知らない子が多かったのでビックリしました。
「そうかあ、私たちが知っていることは当たり前ではないのね」と思った次第です。
沖縄戦の話や、空襲の話などもちょこっとカンファランスしようと思います。



で、子どもたちに選書してもらったところ、
めでたく上手い具合に全種類選ばれました。
来週からスタートです。
もしかしたら、6月の学校公開で最後の回が見られるかもしれません。