鈴木光司講演会

うちの学校のPTA会長が、
作家の鈴木光司さんと知り合い(どういう知り合いかは内緒)で、
PTAの成人部の講演会に講師としてお招きしようということになったそうです。
…ということで、これはチャンス!!
本物の作家に会える!



前々からこの話は知っていて、
この講演会の前に「作家の時間」に来てもらおうと画策していたんですが、
残念ながら実現しないままでした。
(絵本作家の木村研さんの「作家の時間」は実現しました)
あれやこれやのうちに、講演会のほうが迫ってきて、
逆にこれを機会に作家の時間のことを知ってもらって、
子供たちとのワークショップを考えてもらおうかと思いました。



作家として作家の時間のワークショップを開いてもらうだけでなく、
別の目的もあります。
今回、親向けの講演会とおんなじ演題で子供たちにも語ってもらえたらうれしいなと思っています。

これが今回の演題。
鈴木光司さんは実は教育書も書いていて、

なぜ勉強するのか? (SB新書)

なぜ勉強するのか? (SB新書)

これがその本です。
さらに今度またソフトバンク新書から2冊目の本が出版されるようです。



二人の娘さんを、0歳児から大学受験までのすべてを、
専業主夫として子育てしてらっしゃいます。
その子育てを通して気付かれたこと、学習塾の経営から気付かれたこと、保護者として気付かれたこと等様々なことから導き出した、
「理解力」「想像力」「表現力」という三つの要素の大切さを述べます。
自分の子育ての経験から導き出していることなので説得力があります。
そして話がおもしろい。



では簡単に講演会メモ

・子供はのせれば何でもできる。
 小学校5年生の時の先生が、国語の大家で、毎日作文の宿題(原稿用紙3枚1200字)が出た。そのうち書く題材がなくなる。そこで空想の物語を書いた。それを先生が帰りの会で読んでくれた。そして、「この子は作家の才能があるかもしれない」と言ってくれた。それから作家志望となった。(後日談があって先生はそのことを覚えていなかったらしい…)
・勉強をする意味を徹底的に教える。
・自分は小学生(10歳)の時に自分の人生のほとんどを決めた。
 ①将来の職業を決めた。→作家
 ②将来のライフワークを決めた。→太平洋横断
 ③将来の妻を決めた。→小学校4年の時の転入生の女の子を一目見て「この人だ!」と決めて、実際その人が今の奥さん。
・「男の子10歳説」
 今、いろんな著名人と会う機会があるが、そのほとんどの人が、小学生の時に自分の将来を何らかの形で決めている。この時期が一番影響力がある。だから、この10歳あたりの時期により高いものを提示する必要がある。
・愛情さえかければお金をかける必要はない。
 子育てにお金はかからない。自分流の子育てをする。本や人のまねに流されない。
・ディスカッションする。徹底的に話し合う。だんだんと話し合わなくても意志の統一ができてくる。
・「哲学」とは、命題をいかに解くのかとう方法をポリッシュ(磨き上げる)すること。
 哲学はメタ学問である。より正しい答えに行きつく方法を知ること。
・新作「エッジ」には娘たちとのかかわりが反映されている。
・「人はなぜ勉強するのか」
 子供たちは勉強する意味を分かっているか? 勉強の目的は崇高なものである。そうでなければ意味がない。決していい高校、いい大学、いい会社、そして稼ぐためではない。
・子供に必要な力
 理解力…情報を正確に理解すること(インプット)
 想像力…自分の独創性を加えること(磨く)
 表現力…相手に伝えること(アウトプット)
 育てるためには入口を絞っちゃいけない。必要ないものはない。一見不必要そうに見えても必要なものである。
・「昔がよかった…」はありえない。
 昔の時代は実に理不尽な時代である。暴力や不合理がまかり通った時代。我々は、昔の問題は解決しつつ新しい局面を迎えている。今は下り坂的な意見を吐く大人がいるが言ってはいけない。子供がそう思った瞬間今を大事にしなくなる。実際のところ、世の中は少しずつ良くなっている。でもすべての問題が解決するパーフェクトな世界はやってこない。問題は常に我々の前に現れる。その問題を子供たちは解決していかなくてはならない。その方法が「ディスカッション」である。これに必要なのが3つの力である。だから勉強するのだ。
 勉強する目的は、「人類の進歩に貢献するため」である。子供たちの未来は明るいのです。
・子供のうちに適当な失敗をさせる。
 6割正解、4割間違い。大きくなった時まちがわなくなる。対処の方法を知る。耐えられる。
・自分の弱みを自覚したとき、強みを発揮できる。
トップダウン方式と、ボトムアップ方式のバランスが大切。
・勉強は自発的にやらなければ伸びない。
・「競争社会」とよく言われるが、社会に出て競争なんてほとんどない。あなたは職場の同僚と競争していますか? あなたの会社は競争をあおってますか? 競争社会ではなく「協力社会」だ。そのために必要なことを学校で教えなくてはいけない。人を出し抜くことを覚えさせてはいけない。
・学び合いは効果的。さらに社会に出て必ず役に立つ。そこら辺りはこんど出版される本にくわしく書いてある。



質疑応答の時、学び合いについて質問しました。メモ中の中で、その点に触れられているのはその回答です。
ということで、今度出る本が楽しみです。



作家の時間もしっかり宣伝してきました。
子供向けのワークショップをしっかり頼んできました。
さてどうなりますか…。
楽しみです。