10月学校公開参観記②

続きまして2人目はじゅんじゅんです。


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KAIさん 昨日は学校公開参観をお許しいただき、本当にありがとうございました。
KAIさんに初めてお会いできたのは、今年の4月京都でしたが、ブログや書籍で以前からずっと、授業を参観させていただくのが夢だったのでそれが叶って嬉しかったです。
では、振り返りです。



① 全体を通して
生サークルベンチがそこにありました。ウチの教室より若干狭いKAIさんの教室に、それ程窮屈な感じはなく、それはありました。
子供達にとっても、既に半年の付き合いがあるので、暗黙?のルールが自然に守られていて、危険な使い方をする子もなく、活用されていました。
そして、本。
西多摩PACEで写真を見せていただいたような、本棚に囲まれたスペースがあるのかと予想していましたが、普通の教室とそれほど変わらぬ本箱の配置で、でも、冊数は大量の本がありました。
子供達の第一印象は、それは最後まで変わりませんでしたが、とてもとても自然体で、穏やかで、普通の子供達でした。
いわゆる「躾けられている」変な頑張り感がなく、特に土曜日だったこともあるでしょうが、「ああ、これがなかったら、今頃家で寝ているんだよなあ〜」「姿が見えない!なんでお父さんこないんだあ!」なんて愚痴ってしまう、普通の子供達でした。
半日しか参観していないので、あくまでも私の感じたことでしかありませんが、何をとっても、負荷がなくその子らしくいられる、でも、普通にやることはやる空間が教室にありました。


私がこれまで見聞きしてきた、いわゆる力量のある教師達が作る学級は、学習規律が整い、姿勢がよく、手の挙げ方も素晴らしく、飛び交う発言や記述も「ああ、よく鍛えられているなあ」と、自分とのあまりの違いに途方に暮れることばかりでしたが、
私が昨日感じたことは、「私は子供達に何を育てたいか?」いや、これも私の「我」の表れで、そもそも子供達は育てて欲しいなんて私に期待はしておらず、まあ、せいぜい「学校にいる間、楽しい時間を提供してくれ〜」くらいに感じているのではないかと思うので、「私が子供達にできることは何か?」ということを再び問い直しました。
確かにあれもこれもやらなくてはいけないこともあるのでしょうが、いつもKAIさんにお目にかかった後に感じる体の軽さ、余計なものが削ぎ落とされた心地よさがあります。



② 朝の会
他のクラスでは朝の会が進んでいる中、3組では黙々と読書が行われていました。
KAIさんもご自分の本を時に子供の様子を見ながら読んでいらっしゃいました。


サークルベンチで朝の会がスタート。
「今日頑張りたいこと、ハッピーなこと」を隣同士でおしゃべりし、その後、順番に話していく。
「せんせ〜い、パスしてもいいの?」との声。
私だったら迷うところ。一度パスを認めたら、ずっとパスするんじゃないか〜なんて不安に思ってしまう。
でも、そうじゃない。
子供は言いたいことは言うもんだ。という当たり前のことをぶらさずもっていれば、その不安もなくなる。
そして、読み聞かせの後、号礼もなく作家の時間へ。




③ 作家の時間
私は2学期から始めたばかりなので、色々迷うところがあり、本家本元の授業を体験できて本当にありがたかったです。
私は今、ミニレッスンについて迷いながら進めているので、今日のミニレッスンは、来週から始める学習の簡単な説明だったこともあり、「作家の技」などを紹介する時間の進め方を次回はぜひ参観させていただきたいと思いました。


子供達もこの学習スタイルに慣れていて、自分のペースで緩やかに友達と繋がり合いながら書くことから外れずに取り組んでいるのがいいなあ〜と思いました。
ウチはまだ、「作家の時間」のスタイルにキャピキャピしていて、勿論書くことを楽しんでいるのだけれど、私がそれを許容できない〜という状態です。
つまり、私の問題だということがよくよくわかりました。


KAIさんが途中、付箋を配り始め、何に使うのかな?と思っていたら、最後の共有で、共同制作している子達への感想、アドバイスを書くためのものだったということがわかりました。
面白かったのは、作家の側に「感想」「アドバイス」のどちらが欲しいかを選択させているのが素敵だなと感じました。
授業の最後も特にまとめることなく、授業は終わり、休み時間になってもひたすら書いている子達がいました。




④不審者対応の説明&読書家の時間
サークルに座ってKAIさんからの説明を聞く子供達。
ザワザワして途中「真剣に」という指摘を受けた子供達の反応。
KAIさんの指摘の仕方も、普通。勿論声を荒げることもない。
毅然と〜という言葉で表現するほどでもない。
普通。
でも、ちゃんと子供達は受け止めている。
行いを改めた。
それでいいんじゃないか。
私は、「自分たちの力で」という思いが強くて、それさえも子供に委ねてしまうところがあるのだけれど、何かちょっと違うかなあ〜と違和感を自分に感じ始めています。


読み聞かせを聞きながら、ああ、こうやってやるんだ〜と自分の足りなさを痛感しました。
話が進むに従って、子供達が前のめりになっていきました。
そして、最後に絵本の楽しみ方プラスαの伝え方。
きっと子供達はこれから先、そういった目で絵にも注目しながら絵本を見ていくのでしょう。
そういえば、子供達が読書の時間に手に取っていた本は、それなりに厚みがあって、私が見た限りでは、薄い絵本を読んでいる子はいなかったように感じたのですが〜やはり読む冊数が多いと違うのかな?



④ 休み時間
雨天の為、室内で過ごすことに。
私は廊下にいたので、中の様子はわかりませんが、それぞれ思い思いにじゃれ合いながら過ごしていたようです。
廊下を走ったり、絡み合ったり、多少「危ないなあ」と感じる場面がありましたが、KAIさんもじっとそれを見ていらっしゃいました。
これは〜という場面で一言を発し、それでおしまい。
教室に響き渡るような声を出さず、全体を止めるようなこともせず、その二人にだけ聞こえる声で一言。



⑤ 算数
スタート、直角三角形について復習し、その後、今日の問題解決の為に、長方形、正方形の定義を確認。
挙手はさせず、言える子が引っ張る感じ。
その後、教科書の方眼に3つの図形を書き込ませる活動へ。
途中、保護者の方が、我が子のできなさ具合にしびれを切らし、腰をおろして関わり始めました。
よくある授業参観の場面ですね。
私、この間の1年生の研究授業でこれをやっちゃいました。
担任が支援に回ってこなかったので、あまりにその子のできなさ具合を放っておけず、声をかけてしまいました。
そうなんです。悪意はないんです。
でも、やはりそこで子供達にどんな力を育てて欲しいかということが問われてくるんですよね。
KAIさんは、はじめは何もおっしゃいませんでした。
でも、2度目は「自分たちでやってごらん。子供達でできますから」とやんわりとそのお母さんの関わりを止めました。
ともすると、「先生は教えてくれない。」と誤解をされてしまいそうになるので、子供達にも、保護者の方にもその辺りの説明を繰り返し行う必要があるのかな〜と思いました。
1時間の算数でしたが、KAIさんがどんな力を子供達につけたいと考え、実践されているのか実感できました。




⑥ これから生かしたいこと
先ほども書きましたが、KAIさんの講座を受けた後、私はいつも身軽になります。
いかにこれまで、肩肘張ってやってきたかを感じます。
もっと自分らしく、無理をせず、子供達と過ごしていいんだよ〜と勝手に感じています。
今回もそれを子供達の姿から感じることができました。
毎日の学校生活を楽しく、自分らしく送って欲しい〜そんな願いが叶えられるように、もう一度子供達に私ができることを考えたいと思います。
スキルの面では、読み聞かせの技をあげたいなあ。作家の時間も肩の力を抜いてやっていこうと思います。
繰り返しになりますが、貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
これからもどうぞ宜しくお願いします。

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詳細な観察ありがとうございます。
私自身の振り返りにもなりました。
いくつか補足説明と質問への回答です。



①全体を通して
うちの教室、今まで赴任した学校の中では、一番大きいんですが、まだ大きな教室があるんですね。うらやましい・・・。
危険な扱い方をする子はいるんですわ。
高いところがあれば乗りたくなるんです。跳びたくなるんです。歩きたくなるんです(笑)
子どもはそういうもんです。
参観日だったからおとなしかったんでしょう😄


本に囲まれたスペースは、サークルベンチを常設してからは設けていません。
教室がごちゃごちゃしちゃうので。
前に、参観した方から、「KAIさんの教室って、ドンキホーテみたいですね」と言われて、かなりショックで、なんとかすっきりしたいなと意識しています(小心者)
でも、サークルベンチがリビングになっていると思います。
本の冊数は今のところ400冊くらいです。まだまだです。
低学年の本は集めにくい。。。


学習規律…うちの学校にも「◯◯スタンダード」なんてものが今年度からあるんですが、(検討段階でかなり激しく無意味さを主張したので、他校に比べれば穏やかです)
いったい誰のためのものなんですかね?
私は子どもの学びやすさには何もつながっていないと思います。
では、先生にとっての教えやすさにつながっているのかというと、それもどうかなと思います。
誰が、誰のために行っているのか。。。まあ、なんとなくわかりますが。
先生も子どもも疲弊したくないですよね。




②朝の会
よくある朝の会はないんです。
学校の時間割は、8:25から8:40まで15分間が朝学習の時間です。
学校公開中は、読書旬間でしたので、毎日この時間が朝読書の時間になっていました。
通常は火曜日の朝学習の時間が、朝読書の時間になっています。
朝読書の時間、15分じゃ足りないです。
ですので、うちのクラスは5分足して20分間とっています。
火曜日以外は、月曜日は全校朝会やら児童集会なので、水木金の三日間は、25分からサークルタイムになります。(月火は1時間目の最初がサークルタイムになります)
20分間かけて、ゆるやかにチェックインします。
簡単に今日の予定を確認してから、ペアでおしゃべりしてから、みんなでトーキングスティックを使って聴き合ったり、アイスブレイクのゲームをしたりと様々です。
そして、1時間目は毎日、読書家の時間か作家の時間なので、そのまま読み聞かせに入ります。
読む時間や書く時間をたくさんとりたい時は,サークルタイムの時間から読み聞かせをします。
読む聞かせも、ミニレッスンとしてやることもあれば、単純に本に親しむカタチでやるか様々です。
まあ、なんというか、時間は「いいかげん」で「決まってない」ということです。
なので、「号令」もありません。
で、「号令」ってなんでしょう?
うちのクラスで形式的に全員がそろって挨拶するのは、
「いただきます」と「ごちそうさま」と「さようなら」だけです。
「分離礼(前言後礼)」と「残心(身)」を教えてあります。




③ 作家の時間
ちょっといいかげんなミニレッスンでしたね。申し訳ありませんでした。
今度機が会あったら見に来てください。
書いている時間にキャピキャピになるのはしょうがないです。
過刺激ですもの。
私も時々、声のボリュームやトーンを押さえてねと言います。
昨年度の6年生の作家の時間の動画を見せるのが一番効きました。



④不審者対応の説明&読書家の時間
うむ、あれは訓練ですので、ここはファシリテーターではなくティーチャーでしたね。


子どもたちの読んでいる本ですが、中学年向けの本を読んでいる子は多いですね。
子どもたちが本を読めるようになる条件として私が考えているものに、
「ひょいと手を伸ばせば届くところに本があること」
「本を読むモデルが近くにいること」
「本について語れる大人がいること」
「本を大切にしている空間、時間、仲間がいること」
ってあるんですが、それがそろえば読めるようになると思います。
あとは、それを意識したプログラムをデザインすることです。



④休み時間
晴天でも教室で各々好きなことやっている子が多いですね。
前は、全員外遊び!って学校で決まっていたようなんですが、なんとなくなし崩しに無しになってしまいましたね。先生たちが誰も言わなくなった。
でも、うちの学校は、休み時間に子どもと外遊びする先生が異常に多いです。
私も時々遊びます。(低学年になってから)




⑤算数
おっしゃる通り、学び合いの意味や意義については、保護者会や学級通信で幾度となく伝えています。
子どもにもずーっと語っています😄



⑥これから生かしたいこと
「毎日の学校生活を楽しく、自分らしく送って欲しい」
まさに、その通りだと思います。
これからもよろしくお願いします