10月終わった。そして、「あそび」について

イエナプランでは、「会話」「遊び」「仕事(学び)」「催し」の4つの基本活動をリズミックに組み立てています。
その中の「遊び」について。
なんとなく自分の中では「あそび」なのでこっちで書きます。




書いていることに対して、
それはそういう意味じゃない!とか、
リスペクトが足りないとか思われるかもしれませんが、
今の自分が感じていることをそのまま書きます。
「判断」はしているけどそれは「絶対」ではありません。




学校のカリキュラムの中に、「あそび」が位置づけられているのがとても興味深いです。
遊びの中での学び、いや、それはちょっといやらしい考え方かもしれません。
「遊びは学び、学びは遊び」とか、
「遊びながら学び、学びながら遊ぶ」とか、
よくそう言いますが、私たちはどうしても「学び」から頭が離れません。
遊びも、旅行も、けんかも、生きものの生死も、なんでもかんでもいろんな体験を、
「『いい学び』になりましたね」とか言っちゃいます。
特にあそび。
でも、子どもたちはそうは思っていないことは確実(笑)



イエナプラン校での子どもたちのあそびを見ていると、
もう、純粋に、とことんあそびます。
これは日本の子どもも同じ。
ただ、学校でのあそびの時間の量と扱い方がちょっと違うかな…って思います。



1校目のレーワルデンのセント・パウロスクールでは、
開校は8時15分ですが、子どもたちはちょいと早めに来て朝も早よから遊び回っています。
中休みが20分あります。
全員外に出ます。
お昼休みが、ランチが終わった後にあります。
この学校は、家が近くの子は家に帰って食べますが、
家に帰らない子は、12時から学校でランチをとります。
ランチ時間12時に始まって、スクールカフェから飛び出すのに、
早い子の最高タイムは12時13分でした。(笑)
昼休みは13時25分までです。
長い子は1時間10分くらいはたっぷりあそぶことになります。
以上が自由あそびの時間。




日本だとどれくらいですかね。
前任校の子どもたちは、中休み20分、昼休み15分ですから35分ですね。
朝あそぶ子でもプラス10分でしょうか。



なぜ昼休みがこんなに長いかというと、
まずランチは家から持ってくるので給食当番の仕事や配膳・片付けの必要がありません。
これで約20分間プラス。
続いて掃除の時間、これがオランダにはないので15〜20分間プラス。
こんな感じなら日本でも昼休みがたっぷり取れますね。
(でも、日本ではただ今絶賛時数確保奮闘中なので授業時間に使われそうですが…)



イエナプラン校は、この自由あそびの時間だけでなく、
授業時間にも「あそび」があります。
授業の学習内容や教材をアクティビティ化し、
「PLAY」や「ワークショップ」するのは、
オランダでも日本でも(日本では最近ようやくですが)同じです。
学習ゲームはどこもだいたい似たような感じです。
でも、イエナプランで言うところの「あそび」は違う気がするんです。



日本では「あそび」というと、自由あそびの時間と、
特別活動の学級活動で行うレクとかお楽しみ会、お誕生会あたりが相当するでしょうか。
特別活動も授業なので、イエナプランと変わりがないかと思われるかもしれませんが、
日本で言うところの学校でのあそびと、
感覚的にちょっと違うところがあります。
日本で言うところの、特別活動のレクやお楽しみ会、お誕生会は、
イエナプラン校ではどちらかというと、「催し」に相当するのだと思います。
何かを祝ったり、みんなで出し物を出し合ったりとかです。
今日、水曜日は、パウロスクールは全校での「催し」の日のはず。
各クラスの出し物を見合って楽しみます。
サークルでは、頻繁にお誕生会やちょっとしたHAPPY&NEWをお祝いします。
それはそれは、もうほんとに小さいことまで。
日本の特活のあそびは、みんなできっちりと話し合って企画、進行するという感じですが、
こっちはもっとゆるやかな感じです。
でも、お誕生日は気合い入ってます😄
その日は一日中、朝のサークルから下校まで、
何かにつけて誕生日の子は特別な感じで扱われていました。
その子自身も、みんなの分のケーキを持ってきて、みんなに配って回ります。
クラスメイトも、親も、先生もかかわってその子の誕生を祝います。




授業中のあそびってなんなのよって話ですが、
パウロスクールの高学年のあるクラスでは、(ここはちょっと大変なクラス)
レクも、直前のサークルで話し合って決めていました。
とことん意見を言い合って、まあ、最後は多数決なんだけど。
次の時間、みんなで決めたアクティビティを楽しんでいました。
(やってたのは「がっちゃんおに」でした 😳)


もっと即興的にあそびになっちゃうこともあります。
上と同じ高学年のクラスなんですが、
朝のサークルが長引いて、ちょっと重たい話をしていた(気がする)ので、
終わった後に、先生が子どもたちに何かを提案して、
みんなぞろぞろと立ち上がり、なんだなんだ?と思っていると、
上着着て、校庭に出て、さらに敷地出て、学校の周りを散歩し始めた。
住宅地にある学校だけど、4辺のうち1辺は水路沿いの木立の中の土の道になっていて、
とても気持ちが落ち着きます。
そこを気の合うもの同士でおしゃべりしながら歩いていました。
何気ない時間なんだけど、とても心と身体が開放される感じです。
ちょっとしたクールダウンにもなります。
これがあそび?と思うかもしれませんが、
私はあそびだと思うのです。
心と身体の開放って、あそびのとっても大切な要素だと思いませんか?
プレイパークで遊んでいる子どもたちってみんなこんな状態になっているんじゃないかと思います。



実は、このことについては、オランダに来る前に考えたことがあって、
それは、強烈な体験が元になっています。
メジローさんが、「変容的学習にはジレンマを起こすような強烈な体験が必要だ」と言ったことがよく分かります.(笑)
風越学園のサマースクールでのこと、
初日、出会いのアクティビティのファシリテートを担当し、
総勢30人くらいの子どもたちと「あそんで」いました。
でも、しばらくして、なんだか子どもたちのテンションが上がらない。
盛り上がらない…
そして、休憩時間に入った時の子どもたちの言葉に強烈なパンチを食らいました。
痛かったです。その言葉とは、
「ねえ、もうあそんでいい?」
です。
「えーっ、今あそんでんじゃーん!!って思ったけど、
そうか、これは子どもたちに、あそびとして認識されていなかったんだなと…
まったくもって、心も身体も開放されていなかったんだなと。
では、子どもたちの心と身体はどこに向かっていたかというと、
実はアクティビティをやっていた場所は、森のすぐ前。
森の中に入ると、木の間に張られた巨大なハンモック型の遊具があり、
さらには崖を下ると、小さな川が2本流れていて、
そして、当たり前のように、樹々が立ち、草が生え、花が咲き、虫がいる…
そんなシチュエーションを前にして、子どもたちはアクティビティではまったく楽しめず、心も身体も開放されることはなかったということだったんだなと気付きました。
アクティビティを予定より早めに切り上げ、子どもたちを解放してあげました。
ごめんなさい。
子どもたちは森の中で、思い思いに自分の心と身体を開放させて、思いっ切り楽しんでいました。
これが「あそび」だと思うのです。





別の高学年のクラスでは、
授業の途中で、「ちょっと外に出てみましょう」って感じで、
外であそぶことがありました。
教室の中にもあそび道具がいっぱいあります。
(でも使っているところは見なかった)


おもしろいのは、上に書いたがっちゃんおにや散歩、外あそびには、
全員が参加していないということです。
教室に残っている子も数人いるんです。
そういう、自己選択・自己決定もありなんです。
全員参加のお楽しみ会のドッジボールも、
1週間に1回ある、休み時間の「クラスあそび」の時間も、
もしかしたら苦痛に感じている子がいるかもしれませんね。
心や身体が開放される時間になるといいですね。



さて、10月が終わり、11月に入りました。
研修のほうは、ようやく半分を過ぎました。
今、2校目の実習校に来ています。
場所はEpe(エイペ)という町にある、Hoge Land 'tという学校です。
ホームステイ先はこの学校の保護者の家です。
馬2頭、犬2匹、猫1匹、うさぎ2羽、オウム1匹一緒に住んでます😄