糸子の体重計
いとうみくさんのデビュー作です。
この本で、第46回日本児童文学者協会新人賞を受賞しました。
この物語はとても心に響ました。
受賞したのもわかる。
全5章からなり、同じストーリーを、流れに沿って、
主要登場人物5人の視点で繋いでいきます。
主要登場人物が、糸子、町田さん、高峯さん、坂巻さん、滝島くんなんですが、
この登場人物は、物語によくあるアーキタイプで、
一念発起して成長するけど基本能天気、天真爛漫な主役、
主役を毛嫌いするクールなライバル(でも実はいいやつ)、
ヘタレなんだけど、主役に感化されてめっちゃ成長する友達、
ライバルの取り巻きの金魚のフンの敵役、
ユニークなムードメイカーだけどけっこうキーな役のやるときはやる男の子、
なんだけど、2章の町田さんを読んでいるところから、
4章の坂巻さんのところが気になってしょうがない(笑)
だって、ふつう、金魚のフンには焦点当たらないもの。
みんな愛すべき子どもたち。
完璧にハッピーエンドで終わらずに、
全ての章でそれを予感させて章を締めくくる。
そして、5章の滝島くんのところで、衝撃の事実がわかるんだけど、
ほんと、この作家さんはうまいなぁ・・・。
登場人物はみんな小学5年生なんだけど、
ブッククラブで語るには、
内容的には中学生なんじゃないだろうか。
町田良子ちゃんにはみんな惚れると思います(^ ^)
超オススメです。