勉強と学習、または学び

学級通信より



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かっぱの山のぼり NO‘9
○○市立栄小学校五年一組学級通信 H22.5.7



       勉強と学習・学び


 
先生は「勉強」という言葉をあまり使いません。
使わないように意識しています。
似たような言葉で、「学び」とか「学習」という言葉はいっぱい使います。「勉強」は「強(し)いて勉(つと)める」という意味です。
「強(し)いて」というのは「無理にさせる」という意味です。
「勉める」は「努める」と同じ意味、努力するってことです。
「無理に努力する」…う〜ん…ちょっとこれは、先生のスタイルとちがうんです。
なので、いつも先生はこの言葉は使わないことにしています。



二つの言葉の使い方をみてみると、その意味がなんとなくわかってきます。「受験勉強」「試験勉強」とは言うけど、「受験学習」「試験学習」とは言わない。
「グループ学習」とは言うけど、「グループ勉強」とは言わない。
「残(のこ)勉」ってあるけど「残(のこ)学」はないよね。
「家庭学習」「自由学習」はどうだろう? 
「○○勉強」に置きかえられる? 
「勉強」って言葉がつくと、なんだか
「おりゃ〜!! ちゃんとやらんかい!!」って感じになるよねぇ…。




「まなぶ」という言葉は、「まねぶ」から生まれた言葉です。
「まねぶ」は「まねる」から生まれました。
だからもとは「人のまねをする」という意味です。
「学習」の「習」は「ならう」ですね。
「ならう」というのも語源的には「まね」といっしょです。
ほら、「前にならえ!」って言うでしょ。
漢字は違うけど、意味はいっしょです。
だから「学習」っていうのは「まねしてならう」です。
ようするに、学びも学習も、一人ではできないということです。
学ぶ者同士がいっしょになって、
「あーだこーだ、いやちがう、こうじゃね?あっ、そうそう!なるほど〜」
ってする世界です。
先生がやる授業って、ほとんどそんな感じの授業ばかりなんですがどうですか? 
でも「勉強」は一人でもくもくとやる感じです。
まあ、これは、受験や定期試験の前なんかに家でやってください。
「学校」はその名の通り、「学ぶ」場です。
だから、クラスがあり、いろんな人がいて、そして日々学び合っています。
先生は5年1組を「学び」のあるクラスにしたいのです。




「まね」してけっこう!人のモノマネはどんどんやろう。
そしておしげもなくみんなに分けてあげよう。
みんなで分かち合おう。
机の上から境界線をなくそう。
「ここまでは君で、ここからはぼく」という考えは捨てよう。
「できる」と「できない」にこだわるな。
こだわるのは、「やる」と「やらない」だ。
できる、できないにこだわると、上下関係が生まれます。
そういうのはとっても学びにはじゃまもの。
「教えてあげる」という考えは捨てよう。
「いっしょにやろう!」って気持ちでいこう。




私たちは実は毎日、意識はしてないけど、
自分以外のだれかのえいきょうを受け続けています。
自分だけの力で思考したり、判断したりはしていません。
最終的には自分で行動を決定するのだけども、
そこに行きつくまでは、いろんな人のえいきょうを受けています。
ようするにいろんなものを学び取っています。
それが経験となり、さらに自分自身を成長させているのです。


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それに対する子供たちの言葉です。
振り返りジャーナルから抜粋です。


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「べんきょうはやだけど学ぶことはいいとおもいますどういいかというとむりやりやるよりかいいからですぼくは学ぶことはすきではありませんがべんきょうはもっときらいですだからまなぶことは大じだとおもいます。」



「僕は勉強がきらいです。勉強よりも学校で好きな事は学習と学びです。なぜかと言うと、勉強は問題があってるまでやらないといけないけど、学習や学びはまちがえたところがあっても、なおせばいいからです。学習や学びが多い学校の方が楽しくこれるようになるので、そういう学校になるといいです。」



「私は算数の時に、となりの人に教えてあげたりしたことがあります。となりの子がテストでまちがえた時、その子に「ここの答え教えて」と言われて、私は答えを教えるだけではなくて、その答えのかいせつみたいなものをしてあげます。それがみんなで学び合うということだと思います。」



「私も先生と同感です。自分だけの力で思考したり、判断したりはしません! これからは机の上から境界線を0にします。」



「一人で勉強はできるけど、みんなで学ぶと楽しい!!」


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「みんなで学ぶと楽しい」
ここに至ればすべてはうまくいくと思います。