平成19年度4年1組 最後の学級通信

今日お送りするのは、
平成19年度の学級通信です。
今から6年前になります。
なぜこの年度から掲載なのかというと、
それまで私の学級通信は、ずっと手書きだったからなのです。
この年度の途中から、ときどきワードを使って書き始めました。
いろいろ疲れてきたのでしょう(笑)




手書きだったのにはそれなりにこだわりがあって、
「子どもの目に触れるものはすべて手書きする」
という変なところに固執していました。
ワークシートなんかもけっこうねばって手書きだったんですが、
徐々に打ち込みに移行し、
最後の砦が学級通信でした。
私の学級通信にはもう一つのこだわりがあります。
というか、「モデル」があります。
私の学級通信のモデルは、
今現在京都橘大学の先生であります池田修先生の学級通信がそれです。
実は私の奥さんは、池田先生と同期でありまして、
私が先生になりたての頃、
奥さんがその池田先生の学級通信を入手し、
見せてもらったときの衝撃たるやすさまじく、
そのときからそれを真似てます(笑)
ワープロで打ち込みになってもそのスタイルは変わりません。
池田先生、ありがとうございます。




平成19年度にワープロで時々書き始め、その数6枚。
通信は毎週書いていたので、まだけっこう手書きをがんばっていたんですね。
今日お送りするのは、
平成19年度の学級通信の一番最後の号です。
この年度の担任学年は4年生。
そのクラスの最後の学級通信です。
ではどうぞ。



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空とぶかめno’45

❍❍市立❍❍小学校 4年1組学級通信 H20、3、24
      

         終わったね… 


 4年生が終わったよ。一年間いっしょに過ごせて楽しかったよ。みんなはどうですか? 先生はできることなら3年生から2年間みんなとやってみたかったよ。そしたらもっと楽しくなりそうだったね。



 先生はちょっとふつうの先生とちがって、変なところがいっぱいあったでしょ。ほら、先生ってあんまし教えないし、ぎゃくに質問ばっかりしてさ。「自分でやれば?」みたいなところがあったから、とまどった人も多いよね。



 「玉川上水」も「東京都を調べよう」も、最初3時間くらい教えてあとは「さあ、みなさんどうぞ!」ってな感じだったもんね。「三つのお願い」も「白いぼうし」も「ごんぎつね」も何にも文章について読み取りしないで、「さあ、どうぞ!」だったもんね。校長先生が聞いたらおこるだろうなぁ。「伝え合うこと」も「アップとルーズで伝える」も教科書読んだだけだもんね。「作家の時間」なんていう不思議な作文の授業もあったねぇ。あれも「書きたいことを書きたいように書く」ってのが決まりだったから、先生なんにもしてないね。「これいいねぇ!」って言ってただけ。「漢字」の学習も授業じゃ一回もやらなかったしな。テストだけ。よく考えたら書き順も読み方も書き方も教えなかったよ。算数も「となりの人のノート見てね。ちがったら『なんでそうなるの』って聞いてね」ってふつうは先生に質問するのに、さぼっちゃったね。道徳も変な道徳だったね。あれね、「モラルジレンマ」っていって、実はどっちも正解なんだよ。ちょっといじわるだったね。でも、みんないっしょうけんめい考えたね。ふつうだったら先生が「これはこうやるのが正しいからみんな気をつけましょう」でおしまいなんだけどね。



 授業以外でも変なことばっかりやってたね。ごめんねぇ…。PAなんていうゲームのようだけどゲームじゃない変な活動もしたね。これもまた「課題はこれです。時間は20分。じゃあどうぞ!」ってな感じでしたね。うまくいきゃあいいけど、失敗はするは、ケンカはするわってなときもあったね。パーティーも七本木祭りも、クラス会議で長々と話し合って、準備にえらい時間かけて、みんながやりたいことをみんなが準備してみんなで楽しんだね。先生もやりたいことがあったんだけどなぁ。そうじも変だったねぇ。「プロ制」だって。自分たちでどうやってそうじしたらいいか考えて、さらに「いごごちのいい空間を創ろう」なんて…そりゃそうじじゃないじゃん! 



 ほかにも変なとこいっぱいあったけど、みんなはどう感じましたか。こんなあんなでけっきょくみんなは、

    

      「先生いなくたってできるってことだよ!」 



 先生いなくたって、みんなは学んでいけるのさ。この一年間でみんなは「学び方を学んだ」はずだよ。先生は道案内をしただけ。人はちゃんとした目的とそれをなしとげるための方法を見つければ、なんだってできるのだ。一発じゃ見つからないよ。失敗もいっぱいやる。そこで、「自分には何がたりないのか」「それをなしとげるためには何が必要なのか」ちゃんと振り返ることが大切。そしてまた次のチャレンジへと向かうのだよ。漢字テストも、作家も、PAも最初っからうまくいくわけないじゃん。玉川上水も白いぼうしも何回も発表やって気付くわけじゃん。先生が最初っから「こうしなさい」と言ったってそれじゃ身に付かないのだよ。言いたかったけどそこはぐっとがまんして…。PAなんか先生が最初っから「こうやるんだよ」といってごらんよ。どうなる? おもしろい? 学べる? あのビーイングの言葉はみんなの気付きの中から生まれたんだよ。みんなが見つけだした宝の言葉。先生がこうしなさいと言ったわけじゃない。やってみなきゃ分からないことってあるよね。それにさ、先生が全部言っちゃたら楽しくないじゃん。



 このやり方はね、絶対これからの人生で必要になる。だって「先生」っていう人がいるのは「学校」だけなんだよ。放課後には先生いない、休みの日は先生いない、学校卒業したら先生いない…自分でやるしかない。おうちの人に聞いてごらん。人生の中で学校で先生から教わったことと、それ以外で学んだことはどちらが多いか。もう答えは見えてるよ。



 それとね、学校の中には先生以外にもとってもいい学び相手がいる。自分の周りには28人の仲間がいたはずだ。その人たちを使わない手はない。いろいろな活動で、いろいろな人からアドバイスや評価やはげましやほめことばやファンレターなどなどもらったね。それどう? 気持ちいいでしょ。ありがたいよね。自分の周りにはこんなにも自分を思ってくれる人がいるんだもんね。うれしいよね。「こうしたほうがいい」って言葉も受け取り方ひとつだよね。「YES―AND」で受け取れば、自分とはちがう考えややり方が見つかるってもんだよ。拒絶している限り、その人に進歩はない。PAやフループワークであーだこーだ言いながらもわいわいやるっていいよね。ふつうわいわい言ってたら先生が「そこ!静かに!!」なんて言っちゃうけど、先生は「どうぞどうぞ、学習に関係あることはどんどんしゃべっていいからね〜」って言ってたからおもしろかったでしょ。しーんとした授業は先生きらいなの。聞いてるだけじゃ絶対覚えられないのを先生知ってるから。学び合う仲間をこれからもつくっていってね。


 
 では最後に先生からひとこと。先生が一年間かけてみんなに伝えたかったこと。



         「自分はこうなりたい!」



っていつも思っていること。こうなりたいというのは「目的」とも言えるかもしれない。「夢」かもしれない。今の自分を知って、自分はこうなりたいって思うことが、すべてのパワーのみなもとです。その思いが強ければ強いほど、そのために何が必要か、そのためにはどうしたらいいか考えるよね。イメージしてごらん。自分がそうなっているところをイメージしてごらん。「願えば叶う」よ。



 そしてね、あきらめたらそこで終わりだよ。すべてはそこで終わり。逆に言えることはこれです。

    

      「あきらめないかぎり失敗はない」



 「空とぶかめ」の意味をみんなに教えておこう。かめって空とぶ? 飛ばないね。でも飛びたいって思うことは自由だよね。そう願うことは決してまちがいじゃない。だれからも「変だ」と言われるすじあいはない。そして「こうなりたい」と思えばいつかはそうなるんだよ。かめだって空を飛べる。絶対! あきらめたらそこで終わりだよ。あきらめないかぎり失敗はないんだよ。



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うーむ、さして今と言ってることが変わらんなぁ。
というか、6年前にけっこうおれって進んでる事やってないか???
けっこう先取りしてるようねぇ…すげー



と自己満足したところで、
次回からは次の学年にいきたいと思います。



ではでは、みなさん、成績付けにいそしみましょう!!