学校公開参観記 『ライオンと魔女』ブッククラブの巻

先々週の土曜日は学校公開でした。
4時間中専科が2時間と、自分の時間が2時間しかありませんでしたが、
たくさんの保護者が参観に来てくれました。
今までの最高記録、30人超え!!すげー!!って思ってたら、
自分のクラスが学校で最低の参加人数でした(笑)
だって今まで保護者会とかずっと一桁だったんだもん…
それにしてもマツコのところは70人超えてた。
すげー!!じいちゃんばあちゃんまで来たのかなぁ。。。



さて、今回も保護者以外に6人の方々が参観に来てくれました。
何人かに参観記を書いてもらったので、
自分の振り返りの意味も込めて公開したいと思います。
まずは一人目、いつものごとく健ちゃんです。(うん、この呼び名もいいね!)

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今日もありがとうございました。FBします。
今まで見た中で一番初期の段階のクラスを見せてもらうことができました。
最初、2組のクラスが班になっていたからKAIのクラスをそっちと勘違いしていしました。



【ブッククラブ】

「なるほど、初期のブッククラブはこうやって進めて行くんだ。」
というのがとてもよくわかりました。
最初だから構成的に進めているけど、
それが子どもたちの学びをどんどん加速させているな〜と思いました。
今の子どもたちにピッタリのフレームだよね。
でも、一番はKAIの言葉と雰囲気が良かったな〜。
「KAIの雰囲気と言葉に相違がない」ってのが今日の一番の僕の学び。


最初に、「みんなで話してみたいことない?」って聞いたときになかなか手が上がらなかったでしょ?
あの時、KAI待ってたし、ニコニコしていたし、
「言うのドキドキしているわかるよ〜でも言ってみない〜?待っているよ〜。」って雰囲気が穏やかにでも心地よく伝わってきました。
僕なら同じ状況になったら、
「言わないの?残念だね〜」
「ほら、言う言う?」
「誰も考えてきてないんじゃないの〜。」
って雰囲気が伝わっちゃうんだろうな〜。



次に、各グループのカンファランスの場面。
KAIにしては、ガンガングループに入っていくんだな〜って印象でした。
たぶん最初だからだよね。
その時のKAIの表情がとってもいいんだ。
何を話しているのか興味津々!!というのが表情や態度にすごく出ていた。
あたりまえだけど、ちゃんと話せているかの監視でもないし、
机間指導の時に教えられる、自分がこの先の授業をすすめるための考えやを見つけるわけでもないよね。
子どもたちの話を聞くのを楽しんでいて、その場が活性化するための後押しを少ししているそんな感じでした。
たぶん根本的に目や耳や思考が違うんだろうな〜と思いました。
うん!やっぱりKAIは偉大だ。



子どもたちは本当によく話していたね。
止まらない止まらない。
止まったところあっても停滞に見えても少しずつ動いているんだよね。
そして、エンジンのかかり方もグループによって全然違う。
後ろの一番窓際のグループは最初は全然エンジンがかかっていなかったけど、
ある時から猛烈に走り出して、最後まで走り切っていたし、
真ん中は止まっているように見えて、エンジンは切れていなくて、急発進!
そして、また停止、そして急発進!各グループそれぞれで面白かった。



KAIはグループへのカンファランスの時、何を基準に今日やっていたの?
最初は全体を見て、次に各グループに行って、最後は気になるところ?停滞しているように見えたり、
KAIの耳に「おっ」と思った所に入っていっているように見えたけど・・・



最後の「みんなで話してみたいこと」は面白かったね〜。
みんな夢中になって話していた。
人間関係の枠をコンテンツが越えていくってさまをまじまじと見せつけられました。


そして、時間配分が絶妙。
1分ってもっと話したいって思っているところでちょうど終わっちゃう。
「もっともっと話したいことがあって、あ〜もう時間じれったい。
今度みんなと話せるのはいつだろ〜楽しみ」ってなるよね。
真似させてもらいます。



ブッククラブ2回目で太った質問と痩せた質問がみんなの中にイメージついていたように思うんだけど、
質問のミニレッスンは何度もやっているの?

最後のふりかえりの様子とその後、すぐ続きを読んでいる姿を見るとどれだけ子どもたちが楽しく夢中になって、次の授業を楽しみにしているかがわかりました。

そうそう、KAIの授業を見てるといつも思うんだけど、
介入するタイミングが本当に僕よりずっと遅いな〜って感じます。
もちろんいい意味で。
僕は早すぎるんだよね。
だから僕を待ってしまうようになる。
それが最近の課題です。
僕はね、見えたこと、聞こえたことに、つまり上辺だけの現象に反応しすぎなんだよね。
子どもたちの学びよりも、フレームやコンテンツを深めることがいつの間にか目的になっているだね。


(以下、社会は略)

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過分なフィードバック、いつもいつもありがとう。
文中いくつか出てきた質問に答えます。


◯教室の机配置はいまだ後頭部凝視型です。
しかし今年度はこのままのカタチでいこうかと考えています。
班のカタチににはしないということではなく、
その場その場の学びの状況で子ども達に考えさせようかと。
「机は共有の学びの場」と位置づけて、「前向き」「ペア」「グループ」とかカタチを決めるんではなくて、
「カタチはあるようでない、ないようである」みたいな感じにしていこうかと…
さあ、どうなるでしょうね。



◯初期のブッククラブ
子ども達にとっては初めてのブッククラブです。
けんじは構成的と言わはれましたが、まあ、その通りです。
ブッククラブというより、リテラチャーサークルと言ったほうがいいでしょう。
「読書家の時間(リーディングワークショップ)」を四月に始めるにあたって子ども達に示した、
「優れた読書家が使う10の方法」の中の、1〜4までの基本的な項目に付いて学んでいきます。
ちなみに「10の方法」とは、


1つながりを見つける
2思い描く
3質問する
4予想する
5大事な情報を選ぶ
6さまざまな情報を整理したり組み合わせたりする
7間違った考えを直す
8理解の正しさを認める
9文章の表現について考える
10自分が作品の中に入っている


もともとの出典では、6個だったかな?それくらいしかなかったものを自分で勝手に10個に細分化したり、新たにくっつけたりしました。
1〜4までが、本についての表層的な部分、
5〜8までが、主題とか、価値観とか、視点とか、見方・考え方とか、深い部分。
9、10はおまけみたいなものです。
この、1〜4までの部分を役割にして読んでいきます。
役割を意識して読むのはこの本が初めてではなく、
教科書教材の、「あめ玉」と「のどがかわいた」でブッククラブもどきをやっています。
教科書を使うなんて、私もずいぶん成長したなぁと思う次第であります。
両方とも授業時間は1時間です(笑)
ライオンと魔女』を一回のブッククラブで50ページ読んできているのに、
教科書ったら数ページしかないんですもの、しかたありません。
4つの方法を意識して教科書を読んで、それなりにブッククラブもどきを楽しんで、
後の時間はひたすら一人読みです。
こっちのほうがはるかに大切な時間です。
ここで本にしっかりとじっくりと向き合うことができ、
本を読むことを大切に思え、
本の楽しさにちょびっとでも気付いて、
ある意味「耐える」こともでき…
そんなことができるようになったかなというところでブッククラブを提案します。



ブッククラブはそもそもクラブがあって、
その仲間で同じ本を選書し、
読んだことを楽しくおしゃべりするものです。
長期のブッククラブと呼んでいますが、
やはり子ども達に提案するには段階が必要かなと思っています。
最終的には上記のような、長期のブッククラブのカタチにしていきたいと思っています。
最初の段階は、けんじの言うように、構成的にフレームをつくっています。
やっと話が戻ってきた(笑)
全員で同じ本を読みます。
選書は先生です。
読む本は『ライオンと魔女』です。
ブックオフで105円で買ったものが40冊ほどあります)
子ども達には、選書の自由も、メンバーの自由も何もありません。
しばりまくり(笑)
さらには、読み方も固定しちゃいます。
ブッククラブじゃないね…。



教科書でちゃちゃっとやってた4つの方法の読みを、
ここでは1回(約50ページほど)の文量につき1つの役割をレッスンしていきます。
最初は「思い描く(イラストレーター)」
読んでいるとき、頭の中にイメージしたことをイラストに描いてみます。
挿絵はダメよって伝えます。
最初はとっつきやすいイラストレーターの役割がベストだと思っています。
さらにこのあと仕掛けがあって、1回目のブッククラブ後に、
「みんなの思い描いたナルニアのイメージは人それぞれだったよね〜。ではここに、みんなと同じように『ライオンと魔女』を読んで頭ん中にナルニアを思い描いた人がいます。アンドリューアダムソンという人です。そしてなんとこの人は、自分の頭の中で思い描いたイメージを映像化しちゃいました。この作品は映像化不可能と言われていたんだけどね。それを今から見まーす。みんなの思い描いたナルニアのイメージと同じところがあるか、違うところがあるかじっくり見て下さいね〜」
って言って、映画を見るのです。
で、読んだところまで映画を見る。
読んだとこまででブチッと切る。
「えーっ!」って言うけど、
「続きは本の中で楽しんでね」と言うと、先が気になるので猛然と本を読み始めます。
本が読めない子が、映像の助けを借りながら加速していきます。
実はナルニア国物語は、ブッククラブには最適とは私は思っていません。
内容的には薄い。
でも、純粋にストーリーを楽しむにはとってもいい本です。
最初のブッククラブは、「本を好きになるためのブッククラブ」ととらえています。



2回目は「質問する(クエスチョナー)」
話し合いには「質問」が一番重要になります。
イラストレーターや、コネクターは共感レベルでしか話ができません。
「へー、そうなんだ」で終わりです。
でも質問は、意見の相違、対立が起こります。
それは普通の国語の授業でも同じことですが。
質問にもいいものと残念なものがあります。
それが「太った質問とやせた質問」です。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンと似てますかね。
それは教科書教材でもやっていたので、
あんな感じで子ども達からポンポン飛び出す訳です。
最初に出なかったのはまったく心配してません。
だってね、やってみなくちゃわからんもんね。
でも授業参観だったら普通の人はあせるよね〜



3回目は「つながりを見つける(コネクター)」
4回目は「予想する(エクスペクター)」
5回目は、4つの方法から自分でチョイスして自由に。
そんな感じで構成的に進めていきます。
はー、やっと終わった。次!



◯カンファラン
授業参観だからね、先生らしいとこ見せなきゃ!
というのはまったく考えず…
盛り上がっているところの話を聞きたいから入ったというだけです。
「何話してるんだろう…」って野次馬根性丸出しです。
真ん中が一番停滞してたけど、あえてそこには最初には入らず。
入ると、向こうが緊張するんだよね、「あっ、やばい、目付けられてる」って。
そのうちなんとかなるもんです。任せとくと。
一人頼りになる子もいたしね。
最後入ったけど、みんな楽しんでましたよ。


このクラスはけっこう話せる子が多いです。
ライオンと魔女』でこんなに話せる子ども達は初めてです。
書くことはこれからだけどね。



◯介入のタイミング
私は遅いです。
怖いからです。
入ったことで、これからもしかしたら自分たちでなんとかできたかもしれないことを、
先生が介入することで奪ってしまわないかと考えてしまい、躊躇します。
そして、今までの経験から言うと、ほぼ自分たちでなんとかでき、
達成感を味わうことがほとんどです。
介入してそうなることはまずほぼないです。
そんなものです。




けんじくん、ありがとね。
また遊びにきて下さい。
次回は、他の参観者の参観記を紹介します。